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【取調室取引24時‼️】「お笑い拳銃捕物帳」これが元ヤクザvs日の丸桜田一家の交渉舞台裏だ!

【塀の中はワンダーランドVol.7】取引だ、拳銃出せ!


元ヤクザでクリスチャン、今建設現場の「墨出し職人」さかはらじんが描く懲役合計21年2カ月の《生き直し》人生録。カタギに戻り10年あまり、罪の代償としての罰を受けてもなお、世間の差別・辛酸ももちろん舐め、信仰で回心した思いを最新刊著作『塀の中はワンダーランド』で著しました前回はカード詐欺容疑で逮捕されたじんさんは取調室で刑事から「ションベン」の任意提出を強要される。つまり「別件逮捕」だ。じんさんも刑事もここで「取引」がはじまる。日本では禁じ手の「自己負罪型」司法取引だ。「みなさん、ヤクザには任侠はあるけど警察に正義なんてありません」と笑うじんさん。でも笑えないのは、これが法治国家のリアルの舞台裏。ロッキード事件からモリカケ問題まで正義は権力側の胸先三寸。検挙率という出世をかけたデカたちと元ヤクザの恣意(デタラメ)のドラマの全貌をここに送ります。ただ、どこか笑えるのはなぜでしょうか。


◼️事件は交渉で「作られる」という正義の正体

鎮痛な面持ちで残骸を見つめていたボクは、それでも塀の中に落ちたくない一心で、どうにか助かる方法はないものか、あれこれ考えていた。

やっぱり、あれしかねぇか

あることに考えが行き着いた。それは前にも何度か弟分たちのことで使ったことがある〝手〞だった。その手というのは、デカ連中が喉から手が出るほど欲(しがるもの、拳銃である。その拳銃を取引材料に使って、事件そのものを闇に葬り去ることだった。

もう時効だから構わないだろう。

ボクは過去、いくつかの事件を闇に葬ることで、5丁と半分の拳銃を警察へ提出したことがあったのだ。

一丁はM署が管轄するH駅ロッカーに入れてくれと、生活安全課の課長代理のFからの指示を受けて、実弾を込めた真性拳銃を提出したことがあった。真性拳銃とは改造銃ではなく、本物の拳銃のことである。

この提出に至った経緯は、ボクの指示で車を動かしに行った弟分が、行ったきりなかなか帰って来ないので、どうしたのかと心配していたら、M署に連行されて尿を採られていたのだ。これは明らかにボクを狙っての行為だった。ボクをパクれば、何かが出ることはわかっていたからだ。

一週間後、そのFからボクの携帯に電話がかかってきたので、すぐに出向いて行った。

「ジンちゃんの舎弟の尿はまだ科学捜査研究所に出してないんだ。本人に聞いたらやっていると言っているし、どうする? この色じゃあ、間違いなくやっているね」

見せてくれたポリ容器の中のション便は、茶色く濁ってドロドロしたものだった。

そこでFから「ジンちゃん、〝魚心あれば水心〞だよ」と婉曲に言われて、ボクはコルト四五口径の拳銃を提供する約束をし、事件を闇に葬り去ったのだ。

自分のケツは自分で拭くのが当たり前のボクたちの生き方であったが、このときはこの弟分を懲役に行かせられない〝ある事情〞があったから仕方なかった。

このM署の生活安全課代理のFはその後、別の弟分がシャブの〝売をしていることにつけ込んで、ボクを強請(ゆす)ってきた。ある日、Fから電話があったので、生活安全課へ出向くと、Fから「ジンちゃん、舎弟の尚は派手にシャブの〝売〞をやっているね。パクるパクらないはこっちの腹ひとつだ。どうしても一丁ほしいんだ。ジンちゃん、事件握るからさ、頼むよ」と言われたので数日後、用意した拳銃を提出した。

ところが、その拳銃は改造銃だったことから、ハンマーノーズが雷管に当たらず、殺傷能力なし。という、科捜研からの鑑定書類をAから突きつけられた。もうすでに現物がないことから、その書類のコピーをもらい、仕入先の相手にケツを持っていき、仕方ないので代わりにブローアクションの真性拳銃を出した。

しかし、この拳銃は一度、新宿の某所へのカチ込みで、ある組織の不良が発砲している

ことから、俗にいう熱い拳銃(前科のある拳銃のこと)だった。だが、警察と科捜研が熱い拳銃の処分を永久的に図ってくれたのだから、これほど確かな証拠隠滅はないだろう。

残りの3丁のうちの1丁は、知り合いのもう亡くなったいい兄ィが、青少年育成条例でH警察に引っかかり、その件をモミ消すことで、マル暴のデカと掛け合って、マカレフを出したことがあった。もう1丁は、ブラジル製のタウルスという拳銃(この拳銃は立川のMという不良ルートから手に入れた物だった)だが、1500万円の恐喝未遂容疑でボクが小平警察にパクられたときに提出した。

 このときは、ボクの犯罪歴から、検事が「尿を採れ」と捜査に言ってきたので、捜査の方から「週明けに尿を採るぞ」と言われていたボクは、留置場の風呂で発汗した汗を水を張った洗面器に何滴か垂らして透かしてみた。すると、落ちた水滴が水の中で化学反応を起こし、輪を形づくったのだ。完全に「アウト」だった。

次のページ5丁と半分の拳銃無宿

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2020年5月27日『塀の中のワンダーランド』
全国書店にて発売!

新規連載がはじまりました!《元》ヤクザでキリスト教徒《現》建設現場の「墨出し職人」さかはらじんの《生き直し》人生録。「セーラー服と機関銃」ではありません!「塀の中の懲りない面々」ではありません!!「塀の中」滞在時間としては人生の約3分の1。ハンパなく、スケールが大きいかもしれません。

絶望もがむしゃらに突き抜けた時、見えた希望の光!

「ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜」です。

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さかはら じん

さかはら じん

1954年生まれ(本名:坂原仁基)、魚座・O型。埼玉県本庄市生まれの東京育ち。幼年 期に母を亡くし、兄と二人の生活で極度の貧困のため小学校1カ月で中退。8歳で父親に 引き取られるも、10歳で継母と決裂。素行の悪さから教護院へ。17歳で傷害・窃盗事件を 起こし横浜・練馬鑑別所。20歳で渡米。ニューヨークのステーキハウスで修行。帰国後、 22歳で覚せい剤所持で逮捕。23歳で父親への積年の恨みから殺害を実行するが、失敗。 銃刀法、覚せい剤使用で中野・府中刑務所でデビューを飾る。28歳出所後、再び覚せい剤 使用で府中刑務所に逆戻り。29歳、本格的にヤクザ道へ突入。以後、府中・新潟・帯広・神戸・ 札幌刑務所の常連として累計20年の「監獄」暮らし。人生54年目、獄中で自分の人生と向き合う不思議な啓示を受け、出所後、キリスト教の教えと出逢う。回心なのか、自分の生き方を悔い改める体験を受ける。現在、ヤクザな生き方を離れ、建築現場の墨出し職人として働く。人は非常事態に弱い。でもボクはその非常事態の中で生き抜いてきた。

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  • さかはらじん
  • 2020.05.27