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極道の妻も出産時「バカヤロー、出て来い!」と絶叫!【元ヤクザ《生き直し》人生録】

【塀の中はワンダーランドVol.3 】バカヤロー、出て来い!


元ヤクザクリスチャン、今建設現場の「墨出し職人」さかはらじんが描く懲役合計21年2カ月の《生き直し》人生録。カタギに戻り10年あまり、罪の代償としての罰(懲役刑)を受けてもなお、世間の差別・辛酸ももちろん舐め、信仰で変われた思いを書籍で著わしました。「読者のみなさんで、自分の居場所を失った時、人生をやり直したい時、死にたくなった時、ぜひ、ボクと愛しき懲役囚たちとのバカ過ぎて真剣な犯罪と塀の中のエピソードで笑ってください!」と語るじんさん。本記事は、最新刊著作『塀の中はワンダーランド』より構成。


◼️女房という「ボス」にはタジタジで・・・

当時のボクの女房は、名前を由果という、15歳も下のヤバイ系の女だった。外でのボクは天下御免のボスだったが、家に帰るとボスの座は女房に握られていた。そんな女房とユキテルという1歳8カ月になる可愛い息子の3人で暮らしていた。

ボスである奥さんは、毎月20日ぐらいになると、遊び人のボクに向かって、

「ジンさん、毎日遊んでばかりいて大丈夫なの? 生活費、25日にはきっちりもらうからね」と、外では債務者に追い込みをかけているボクにキツイ追い込みをかけてくるのだった。

ボクが食べる家での食事は極めて質素であった。魚が好きなことから鯖の塩焼きなどといった物が多い。反面、奥さんは焼き魚を食べているボクの前で大口を開け、100グラム800円もするステーキを食べたりする。

それでもボクは、そんな奥さんに頭が上がらなかった。過去の浮気事件が災いしていたからである。

あるとき、浮気相手の女が助っ人の女を連れ、二人で家に乗り込んできて、

「わたし、奥さんからジンさんを奪おうとは思わない。ジンさんのサイドの女でいいから二号さんにしてよ。だから、奥さん、これからは仲良くしましょう」

そう言ったもんだから、大変な騒ぎになってしまった。奥さんの方にもこのとき、たまたま悦子という友達が来ていたから、テーブルを挟んで女4人が殺気立ち、激しい言い争いとなる。

「二号にしてよ!」

「ダメです!」

「いいじゃない! 減るもんじゃないんだから!」

「ジンさんは渡しません!」

応酬合戦は30分ほど続いた。

こういうときの男はだらしがない。ボクはどうすることもできずに途方に暮れ、部屋の真ん中に後ろを向いて、人ごとのようにして黙って座っていたのだが、

「ジンさん、黙ってないでこっち向いてよ! アンタのことでしょ! 何とか言いなさいよ!」

二人から同時に言われてしまい、頭がクラクラしていたボクはそのまま振り向くと正座をさせられてしまったのだった。情けなかった。

ボクの奥さんは、過去に出刃包丁を振り回して久米川の町中で、自分の母親を追いかけ回したという武勇伝というか、破廉恥な事件を起こしていた。

次のページ産気のさなか我が子へ「バカヤロー!」

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2020年5月27日
『塀の中のワンダーランド』
全国書店にて発売!

新規連載がはじまりました!《元》ヤクザでキリスト教徒《現》建設現場の「墨出し職人」さかはらじんの《生き直し》人生録。
「セーラー服と機関銃」ではありません!「塀の中の懲りない面々」ではありません!!

「塀の中」滞在時間としては人生の約3分の1。ハンパなく、スケールが大きいかもしれません。

絶望もがむしゃらに突き抜けた時、見えた希望の光!

「ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜」です。

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さかはら じん

さかはら じん

1954年生まれ(本名:坂原仁基)、魚座・O型。埼玉県本庄市生まれの東京育ち。幼年 期に母を亡くし、兄と二人の生活で極度の貧困のため小学校1カ月で中退。8歳で父親に 引き取られるも、10歳で継母と決裂。素行の悪さから教護院へ。17歳で傷害・窃盗事件を 起こし横浜・練馬鑑別所。20歳で渡米。ニューヨークのステーキハウスで修行。帰国後、 22歳で覚せい剤所持で逮捕。23歳で父親への積年の恨みから殺害を実行するが、失敗。 銃刀法、覚せい剤使用で中野・府中刑務所でデビューを飾る。28歳出所後、再び覚せい剤 使用で府中刑務所に逆戻り。29歳、本格的にヤクザ道へ突入。以後、府中・新潟・帯広・神戸・ 札幌刑務所の常連として累計20年の「監獄」暮らし。人生54年目、獄中で自分の人生と向き合う不思議な啓示を受け、出所後、キリスト教の教えと出逢う。回心なのか、自分の生き方を悔い改める体験を受ける。現在、ヤクザな生き方を離れ、建築現場の墨出し職人として働く。人は非常事態に弱い。でもボクはその非常事態の中で生き抜いてきた。

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  • さかはらじん
  • 2020.05.27