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ドラゴンズにも見習ってほしいカープの「三位一体」。山本昌が古巣へ直言

カープの強さを見て感じたファンとの距離の重要性

 昨シーズン限りで現役を引退。じつに32年間にもわたるプロ野球選手生活を終えた、山本昌氏。今年は解説者として第二の人生をスタートさせた。その山本昌氏に聞く、いま知りたいこと。

 

Q.セ・リーグを制覇した広島カープの強さはどこにあったのでしょうか。

 第一回で述べたことに近いのですが、やはり今年の広島は選手層が厚かった。鈴木誠也選手の大ブレイクが特筆されますが、先発投手においてもロサンゼルス・ドジャースへ移籍した前田健太投手の穴を野村祐輔投手が見事に埋め、16勝で最多勝投手となったことはもちろん、ジョンソン投手、黒田博樹投手がローテーションをしっかり守って2けた勝利したことはとても大きいと思います。

 なかでも、私が個人的に優勝のポイントを挙げさせていただくとすれば、黒田投手と新井貴浩選手のベテランふたりです。200勝、2000本安打と大記録がかかった選手が、投打にわたって活躍できたことが非常に大きかったのではないかと感じています。

 選手個人からすれば「チームのために」という大前提はあるにせよ、記録を達成させることがチームへの貢献とイコールになるわけですから、当然意欲をもって練習や試合に臨みます。ただし、今年の広島はチームメート全員が「黒田さんに200勝を、新井さんに2000本安打を達成してもらいたい」とプレーで後押ししていた。新井選手は39歳にして3割、100打点を達成しましたし、黒田投手にしても10勝ですから、チーム全体がいい相乗効果を保ちながら戦っていたんだと思います。

 そしてもうひとつ、広島が優勝できた大事な要素があります。球団とファンの存在です。

 ファンサービスを重視する時代の流れもありますが、球団はファンに球場へ足を運んでもらうために多くのイベントを企画し、グッズにしても様々なアプローチを仕掛けています。球団経営がファン拡大を実現し、ファンの応援が選手たちを後押しする。「球団」「ファン」「選手」。三位一体のチーム運営が広島を強くした。これに加え「けが人を補う選手層の厚さ」「黒田投手、新井選手の存在」と3つの要素が完璧に機能したことで、25年ぶりのリーグ優勝を実現させたのだと思います。

 これはいまの野球界にとってとても重要なことで、どのチームも見習わなければならないと思います。私の古巣であるドラゴンズも、こうした取り組みを考えていけば、またチーム力も上がっていくと思いますね。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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