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田原総一朗「あのような戦争を二度とやってはいけないという、強いお気持ちを感じる」

田原総一朗さん30日毎日連載 Q6.天皇陛下の「生前退位」の話題についていかがお考えですか?

『変貌する自民党の正体』(ベスト新書)を上梓。常に第一線のジャーナリストとして活躍したきた田原総一朗氏に話を聞いた。

Q6.天皇陛下の「生前退位」の話題についていかがお考えですか

 

 今月の8日前に、天皇陛下がご自分で生前退位に関しての「お気持ち」を表明されるという報道がありました。

 明治以降、生前退位された天皇はいないわけだけれども、僕は今上陛下のお気持ちが、すごくよくわかる。それは僕と歳が近いからだということではなく、ご自分の意識がしっかりしているうちに、後継者の道筋つけておきたいのだと思う。

 あまり例は良くないけれど、会社でいえば、社長を辞めて顧問になるようなものですよ。

 特に今上天皇には強い思いがある。父上である昭和天皇からの思いだけど、「戦争に対する責任」ですよ。あの戦争は良くなかった。大戦で多くの320万人という日本人が犠牲になった、という。だから今上天皇も、昨年今年とパラオやフィリピン、その他にも激戦地へ戦没者の慰霊に行かれている。それは何故かと言うと、あのような戦争を二度とやってはいけないという、強いお気持ちがある。 だから僕が思うには、今の天皇陛下も、現行の憲法がいいというお気持ちがあるんじゃないかな。その思いを、後継者が継いでくれるかどうかをも届けたいというお気持ちがあるんではないかな。あくまでも個人的な想像ですけどね。

 ただ、現実的には色々と問題がありますよ。憲法は改正する必要はないけれど、皇室典範の改正が必要なんです。今の皇室典範は天皇が崩御されれば、皇太子殿下が天皇になると書かれているだけ。まず、お名前をどうするのか。天皇が生前に退かれると、大昔は上皇と呼んでいたけれど、今は規定がないから決めなくてはいけない。それにどこにお住まいになるのか。すべて生前退位された場合の項目がない。

 こういったことを国会で早く審議したほうがいい。そして僕はこの時にもう二つ、一緒に審議して決めてほしいことがある。

 一つが「女性宮家」。女性宮家を作らなければ、このままだと秋篠宮様の悠仁親王だけになってしまう。次に、「女性天皇」について。女系天皇じゃなくて、男系の女性が皇位を継承できるように論議するべきです。僕としての考えは、女性天皇は、在って然るべきだと思っている。だって、これまで推古天皇をはじめとして、江戸期まで8名10代の女性天皇が存在しているのだから。

 現在の皇室典範第1条に、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と書かれているけど、ここから考え直す必要がある。

 男性と限られたのは、明治になってから。当時は天皇が元帥になっていたから。軍隊との関係、統帥権の問題ですよ。女性は軍隊に入れなかったからです。現代はそんなことは関係ないでしょう。

 天皇が行う「神道儀礼」には、女性が行うことができないものがあるとは言われる。けれど、今までタブー視されてきたような感がある皇位継承意見の問題も含めて、議論を進めなくてはいけないと思います。

*

明日の第七回の質問は「8月になると第二次世界大戦、終戦についての話題が出ると思いますが?」です。

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田原 総一朗

たはら そういちろう

ジャーナリスト。1934年滋賀県生まれ。60年早稲田大学文学部卒業。同年岩波映画製作所入所。64年東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。著書に『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』講談社)、『安倍政権への遺言 首相、これだけはいいたい 』(朝日新聞出版)など多数の著書がある。


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