迷将・立浪監督のままではドラゴンズ「来年も最下位」確定!? 最大の理由【篁五郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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迷将・立浪監督のままではドラゴンズ「来年も最下位」確定!? 最大の理由【篁五郎】

 

■立浪監督では来年も中日は最下位のまま?

 

 これだけ内部崩壊していては勝てるはずがない。立浪監督はオーナーへの報告で「自分も2年間やらせてもらって、いかに選手をもっとやる気にさせる方法はなかったのかなという、そこが一番の反省点かなと思ってます」と語った。しかし道のりは厳しい。現時点では来年も最下位の可能性が高い。

 

 第一に最下位になった理由の一つに「失策の多さ」がある。チーム全体の失策数は79と優勝した阪神タイガースよりも少ないが、二遊間の失策は28でリーグワーストを記録。三塁の石川昂弥もチームワーストの15失策と内野陣の守備に問題があった。Aクラス入りした2020年の失策数が56なので守備の崩壊が順位を下げた要因といえる。京田、阿部とセンターラインを守れる選手を放出したツケが出た格好だ。センターラインのレギュラーはセンターの岡林だけ。セカンド、ショートで定位置を取れる選手は現時点でいない。

 

 次に残って欲しいコーチが次々と退団したこと。シーズン終了後に西山秀二バッテリーコーチ、荒木雅博内野守備走塁コーチ、中村紀洋二軍打撃コーチの三名が退団。ファンからも驚きの声が上がった。中日OBでコーチも務めた中村武志氏はYouTubeで「想像の部分しかわからないけど、正直、え、なんで?と思った。何があったの?とびっくりした」と語るほど。代わりに就任したのは昨年引退した堂上直倫、福田永将、大野奨太である。彼らにコーチの資質があったとしても一年生ですぐに結果を出すのは難しいだろう。

 

 最後は立浪監督自身である。厳しい態度でチームを引き締めたいのだろうが、恐怖支配になっている可能性が高い。先述した近藤晒し上げがその象徴といえる。あの時コーチ陣は誰一人マウンドへ行かなかった。内野手が集まったのは一度だけ。一塁の宇佐美が9失点した後に近藤を励ましたが、それ以外は誰も来ていない。あまりの酷さに抑えのマルチネスが「可哀想だから俺が代わりに投げる」とコーチに進言するほど。それだけチームは壊れていた。

 近藤の件について元ロッテの里崎智也氏は自身のYouTubeチャンネルで批判。

「近藤投手が次投げるときにトラウマになるかもしれないから代えてあげないとダメ」

 このように語り、立浪采配を切って捨てた。中日OBの英智氏は翌日に近藤を登録抹消したことについてこのように述べている。

「二軍に落とすんだとしたら、もう1回ぐらい一軍で登板させて抑えて、『お前はこういうピッチングもできるんだぞ。二軍でコンスタントに出せるように頑張ってこい』という送り出し方をしてあげてたら心配ないと思うんですけど」

 チャンスを与えなかったことに対して疑問を呈した。

 

 立浪監督は故・星野仙一氏の下で野球をしていたのでその影響を受けたと言われている。選手への厳しい態度は星野氏から学んだらしい。しかし星野氏はミスをしたり、怒鳴ったりした選手にもう一度チャンスを与えていた。これは中村武志氏や山本昌氏も異口同音に口を揃えている。もし星野氏のようにやるならば、アメとムチの使い分けをしないと上手くいかない。

 しかし批判の矢面に立っている当の本人は来季についてこんな発言をしている。

「我々も変わるけど、選手ももっと意識を高め変えていこうと。やはり選手を見ていて、やっぱり負けたときに、本当に悔しさを持って反省して、やっぱり次の日に臨んでいかないと、強いチームにはなっていかないと思います」

 

 選手に意識を高めてほしいと言うならば、それ以上に自身の采配について反省して変わったところを見せるのが先だろう。真っ先に変わらなければいけないのは立浪監督自身である。残念ながら「名選手、名監督にあらず」を地でいく立浪。このままだと増えるのは高橋周平の三振の数くらいだ。

 しかしこういう組織のリーダーっているよね、どこにでも。人の心がまったく読めないから優秀な人はどんどん離れていく。自業自得哉。

 

文:篁五郎

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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