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みんな真剣に婚活している。婚活は営業活動に近いと思った。アプローチする件数が大切だ。【石神賢介】

アラカン(60歳前後)でも出会えた婚活アプリの世界

  

■婚活は営業と同じ。大切なのはアプローチ数

 

 婚活アプリに登録したときは、新型コロナウイルス感染拡大の真っ只中。アラカンの筆者は、苦戦を覚悟しての参戦だ。

 しかし、思いのほか、アプリでの婚活は順調に進んだ。次々と女性に会えた。

 まずスタートして1か月目は、女性から毎日申し込まれて驚いた。サクラかと思った。アラカン、バツイチ、収入が不安定なフリーランス、デカ顔、低身長……でも、婚活市場で需要があったのだ。

 申し込みが複数来た理由は後にわかった。登録したばかりの〝新人〟は多くの男女がチェックしている。

 みんな真剣に婚活している。毎日ウェブサイトを開き、誰かいい人はいないか、プロフィールをチェックしている。会員の顔はどんなに多くても、そのほとんどが頭にインプットされている。だから、新しい登録者に敏感に反応するのだろう。

 登録して日が浅い男女はまだライバルが少ない。マッチングの確率が高いから、どんどん申し込まれるのだ。

 アプリに登録する写真は身なりに気を遣った。清潔感を心がけ、襟のある白いシャツにダーク系のジャケットをはおった。笑顔も心がけた。プロフィールの自己紹介文には本気でパートナーを求めていることを明記した。そのあたりが総合的に女性に評価していただけたのではないだろうか。

 もちろん、自分からも片っ端から申し込んだ。なにしろアラカンだ。断られて当たり前。当たって砕けろ、の精神だ。

 婚活は営業活動に近いと思った。アプローチする件数が大切だ。

 たとえば飛び込み営業で、一日に10件営業をかけ、そのうち3件で契約が成立したとしよう。野球ならば打率3割。一流打者の証しだ。

 一方で、一日に100件営業をかけて、そのうち10件で契約が成立したとしよう。野球ならば打率1割。ダメな選手だ。

 しかし、現実社会の営業では評価は異なる。たとえ1割でも、10件の契約を獲得したほうが、たった3件よりもずっと評価は高い。率よりも獲得数のほうが大切だ。一日に100件も営業をかけたバイタリティこそが評価される。

 婚活も同じ。率ではない。そもそも婚活は一人の大切な相手と出会えればいい。でもそれには、数を当たらなくてはいけない。アラカンが相手を選び抜いて100人アプローチしても、マッチングできるのは10人以下だ。そのうちアプリを通して会話が継続して会えるのは一人か二人だろう。さらに交際に進めることはほぼない。こちらにも好みはあるが、相手にも好みはある。

 ただし、それは筆者のようなマイノリティの場合だ。容姿に恵まれた人、経済的に恵まれた人はもっと高い確率で出会えるし、交際できるだろう。

 アラカンはとにかく、数を打たなければダメだ。分母を増やさなくては、分子も増えない。

(最新刊『婚活中毒』より 抜粋)

 

文:石神賢介

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石神賢介

いしがみ けんすけ

ライター

婚活ジャーナリスト

1962年生まれ、東京出身。婚活アプリ、婚活パーティー、結婚相談所、婚活バスツアー、座禅婚活など、約30年にわたり、あらゆる婚活にトライ。食事やお茶などをともにした女性は300人を超える。女性にブランド品を買わされても、「ジジイ!」と罵られてもめげず、会社員、女優、モデル、銀座のホステス、ドクターなどと交際。しかし、結婚にいたっていない。著書に『57歳で婚活したら すごかった』『婚活したら すごかった』(以上、新潮新書)、『すべての婚活やってみました』(小学館新書)、『アラフィフ婚活』(飛鳥新社)、『なぜ「スマ婚」はヒットしたのか 誰もが挙式できる世の中に』(幻冬舎)がある。

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  • 石神 賢介
  • 2023.07.20