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「LGBT理解増進法案」がヤバい!? 「同性結婚」のいったい何が問題なのか【谷龍哉】

「強制結婚」から「自由結婚」のさらなる沼へ:結婚制度の変遷と今後の課題

 

【結婚に関わる税制度】

 財産権についてですが、結婚し夫婦になるということはお互いの財産を共有し管理出来ることを意味します。恋愛結婚視点であれば何も問題ないように見えますが、悪用される懸念を考えると大変問題があります。

 

「明治二十九年法律第八十九号 民法」

第四編 親族 第二章 婚姻 第二款 法定財産制

(夫婦間における財産の帰属)

第七百六十二条 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。

2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。(注5)

 

 例として、同性愛者を装って男性と男性が結婚した場合、財産が共有されることは脱税行為に繋がりますが、心の問題である同性愛の真偽をどう判断するのか?を議論する必要があります。

 専門家による認定制度を作るにしても、幸せになりたいと結婚しようとした時に、同性結婚のみ専門家による審査を受けるとなれば、社会に認められていないと感じることは容易に想像でき、反発を受けるでしょう。

 また、バイセクシャルのような男性も女性も好きになるといった方はそもそもどちらも好きなのだから判断のしようがありません。

 

 離婚に関しては裁判上の離婚理由と贈与税の問題が出てきます。

 

第四編 親族 第二章 婚姻 第四節 離婚 第二款 裁判上の離婚

(裁判上の離婚)

第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。(5)

 

 この法律にある、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」では性の不一致が含まれており、性的な変容が起きた場合に離婚が認められることはそうあるべきですが、先に述べた通り、どう判断するのか?といった問題が出てきます。

 

第四編 親族 第二章 婚姻 第四節 離婚 第一款 協議上の離婚

(財産分与)

第七百六十八条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。(注5)

 

 更に実際に離婚する段階になると財産を分ける事になり、離婚での財産分与には贈与税が優遇されている点を考慮する必要があります。(6)

「脱税目的で偽装結婚するやつなんて今でもいるだろ」との意見が出ると思いますが、男性同士で結婚できるようになると、脱税の規模や頻度が変わって来ます。そして、社会が寛容になればなるほど、偽装同性結婚のハードルは下がっていき、こういった側面もしっかり議論すべきなのが法律であると私は考えています。

 また、日本人と外国人による在留資格取得が目的の偽装結婚に関しても、同性結婚によって件数が激増する懸念があります。

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谷龍哉

たに りゅうや

谷 龍哉(たに・りゅうや)

1983年生まれ。三重県伊勢市出身。ネット情報アナリストとして、インターネット上の社会事象や問題発生の経緯の情報収集、分析に従事。

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