高市早苗、三浦瑠麗、杉田水脈…安倍晋三周辺「喜び組」の末路【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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高市早苗、三浦瑠麗、杉田水脈…安倍晋三周辺「喜び組」の末路【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第35回


昨年の安倍晋三銃殺事件以降、政財界から審議会、言論界に至るまで、様々な闇が明らかになってきた。杉田、高市、三浦という安倍に寵愛されてきた女性たちの異様な振る舞いはいったい何だったのか。彼女たちから立ちのぼる “いかがわしさ”の正体とは。日本をダメにした B層の研究』を刊行し、売国政治屋・マスコミをのさばらせた近代大衆社会の末路を鋭く分析した適菜収氏の「だから何度も言ったのに」連載第35回。


総務省の行政文書と確認された放送法解釈を巡る資料について、高市は自身にかかわる記述の内容が不正確で捏造と繰り返し、議員辞職を否定。追い詰められると嘘をつく安倍晋三の振る舞いと同じとさらなる批判を浴びる。

 

ナチス礼賛本に推薦文を寄せていた高市早苗

 安倍晋三周辺を固めていたいかがわしい連中が、窮地に追い込まれている。次期日銀総裁は植田和男に決まったし、これから安倍がやったことを検証するという動きでしょうかね?

    *

 安倍周辺「喜び組」の杉田水脈は差別発言を繰り返し、昨年暮れに総務政務官を辞職。杉田がどういう人物なのか、簡単に軽く振り返っておく。過去には月刊誌に「LGBTの人たちは『生産性』がない」と記し、その流れで雑誌は廃刊に。ブログでは「国連の会議室では小汚い格好に加え、チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」「とにかく、同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなるくらい気持ち悪く、国連を出る頃には身体に変調をきたすほどでした」「ハッキリ言います。彼らは、存在だけで日本国の恥晒しです」と述べていた。2016年、保育所の待機児童問題などに関して、産経新聞のサイトの自身のコラムで「子供を家庭から引き離し、保育所などの施設で洗脳教育をする。旧ソ連が共産主義体制の中で取り組み、失敗したモデルを21世紀の日本で実践しようとしているわけです」「旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります。その活動の温床になっているのが日本であり、彼らの一番のターゲットが日本なのです」と述べていたが、昨年1130日の参院予算委員会で、「事実として確認できず、不用意な発言だった」として撤回した。事実として確認できないことを社会に垂れ流す人間のことを一般にデマゴーグと呼ぶ。

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 高市早苗も追い詰められた。32日、立憲民主党の小西洋之議員が安倍政権時代に作成された総務省の内部文書を公表。そこには礒崎陽輔首相補佐官(当時)が20141126日に、放送法の解釈や違反事例などの説明を総務省に問い合わせてから、翌20155月に高市が従来の政府見解を事実上見直すまでのやりとりが時系列でまとめられている。

 安倍政権は一貫して言論統制・言論弾圧を行っていたが、政府にとって都合の悪い特定のテレビ番組を潰すために、悪党が動いたわけだ。内部文書には「現在の放送番組には明らかにおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」という安倍の発言もある。

 この内部文書に対し、当時、総務相だった高市は「全くの捏造文書だ」と主張。捏造でなかった場合は閣僚や議員を辞職するかと問われると「結構だ」と答えた。その後、総務相の松本剛明が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と述べ、礒崎は総務省に「問い合わせた」ことを認めた。ちゃんちゃん。

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 そもそも高市は極めていかがわしい人物。2014年9月にはネオナチ団体代表とツーショット写真を撮っていたことが発覚。高市は「思想信条が分かっていたら、会いもしなかったし、写真も撮らなかった」と釈明したが、過去にナチス礼賛本「HITLER ヒトラー選挙戦略」に推薦文を寄せていたことが発覚。嘘も100回言えば真実になるとでも思っているんですかね?

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次のページ統一教会を擁護していたのも三浦瑠麗の方便

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

✳︎

第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 ✳︎

第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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