自民党は警察庁公安部の捜査対象だった!【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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自民党は警察庁公安部の捜査対象だった!【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第24回

■自民党は公安の捜査対象だった!

 

 政界がカルトに汚染される中、しっかりと仕事を続けてきた人たちがいる。「週刊新潮」は危険団体の監視や外国勢力に対する防諜などを担う、警視庁公安部の「捜査資料」を入手。そこには400名を超える国会議員と地方議員の名前が並んでいるが、たとえば麻生太郎についてはこう書いてある。

《<勝共推進議員 平成11年2月18日 前進大会東京大会に祝電を打つ 平成11年3月4日 前進化西東京大会に祝電を打つ 平成11年3月13日 勝共全国代表者会議に祝電を打つ>かくて麻生氏が、教会の関連団体主催によるイベントに何度も祝電を打っていた事実が記されている》(「週刊新潮」9月15日号)。

    *

 岸田文雄も追い詰められて壊れたようだ。「FRIDAY」によると、岸田は「国葬は麻生さんが言い出したことだと一部メディアが書いているが、そうじゃない。安倍元首相が亡くなったと聞いたその瞬間、俺が、国葬と決めた。…浅慮だった」と、議員仲間や新聞記者に対し、はっきり言ったとのこと。浅慮で決めたことを強行する。安倍の政治手法はきっちりと岸田に受け継がれている。

    *

 今の論壇界は「西のほんこん、東の瑠麗」ということになっているらしい。SNSでも三浦瑠麗とほんこんの芸風がかぶっていることが指摘されていた。《三浦瑠麗とほんこんが匂わせ大炎上。なぜ壺サーの姫は「女ほんこん」に進化したのか?》(「まぐまぐ」9月11日)という記事もあった。安倍が銃撃されてからは、二人の熱量はさらにアップしていく。三浦はツイッターで<個人的には、お弔いにも出ないというのは冠婚葬祭からすら関係を切ろうとする「村八分」の論理のように思いますが>と安倍の国葬に関する野党の姿勢を批判。これにはSNSで総ツッコミが入っていた。村八分とは葬式と火事の「二分」以外の関係を切られること。つまり三浦は正反対の意味で理解していたわけだ。高級紙「ワシントン・ポスト」と統一教会系のプロパガンダ紙「ワシトン・タイムズ」の区別がつかなかったり、三浦のボケは、ほんこんが拡散させたデマ「スナイパー小屋」なみに面白いものもある。

    *

 しかし、お笑いが本職のほんこんには結局はかなわない。「ほんこん氏が教えるフェイクに騙されないツイッターの使い方」というネット記事(2020年10月4日)では「ツイッターで発信するうえでは、どんなことに気をつけていますか?」という質問に対し、「計算に基づいた数字的な根拠を出してツイートすること。文系だと感情論でツイートする方も多いけど、ツイッターは理系のやり方でやった方がいいと思います。そしてフェイクに騙されない。これが一番大事やね」と語っている。素晴らしいとしか言いようがない。

    *

 昔『そうだ、村上さんに聞いてみよう』というタイトルの本があったが、『そうだ、ほんこんさんに聞いてみよう』という本の企画はどうか。知の巨人ほんこんにいろいろ質問して、玄妙な回答を楽しむという企画。印税は果物で。

 

文:適菜収

 

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

 

第一章 内田樹と『日本辺境論』

 

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 

第二章 自立を拒絶する人たち

 

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 

第三章 「正義」を笠に着る人たち

 

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 

第四章 陰謀論に走る人たち

 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

 

第五章 無責任な人たち

 

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

 

第六章 恥知らずな人たち

 

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

 

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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