自民党は新自由主義勢力の先兵として国を破壊してきた【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

自民党は新自由主義勢力の先兵として国を破壊してきた【適菜収】

参院選では、日本を三流国家に転落させた責任を問え!

参院選に自民党から出馬する女性アイドルグループおニャン子クラブの元メンバーの生稲晃子。一貫しない主張や他の候補者のアンケートの回答をほぼ丸パクりして新聞紙上に掲載してしまう思慮の無さに、SNS上では「頭悪すぎ!」と注目が集まる。

 

■新自由主義勢力の先兵

 

 言葉の破壊と政治の混乱の上に成立したのが安倍政権です。

 言葉の意味が蒸発した世界では批判が成立せず、逆に批判が相手を有利にするという現象が発生します。

 たとえば、一部左翼は「安倍は危険な国家主義者で、ヒトラーのような排外主義者で、極右で、保守反動だ」と言います。現実を正面から受け止めることができないので、ステレオタイプ、紋切型、既成のテンプレートに嵌め込み、思考停止するわけです。

 批判は的を射ていなければ意味がありません。それどころか頓珍漢な批判は問題の本質を覆い隠し、病を拡大させます。安倍は国家主義者どころか、新自由主義勢力の先兵として一貫して国家の解体を続けてきました。排外主義者どころか、世界各国が移民問題で疲弊する中、財界の要望通りに国民を騙しながら移民を大量に国内に入れています。

 たしかに周辺や支持母体に右翼やカルトがいますので、定期的にリップサービスは行ないますが、安倍の発言を見る限り、過去を美化するための前提となる歴史観すら存在しません。

 安倍と周辺の一味がやってきたのは、権力の集中により政治を私物化し、アメリカおよび財界の奴隷になることです。

 二〇一三年九月二五日、安倍はウォール街で「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」「今日は、皆さんに、『日本がもう一度儲かる国になる』(中略)ということをお話しするためにやってきました」「ウォール街の皆様は、常に世界の半歩先を行く。ですから、今がチャンスです」と発言します。

 翌年一月の世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)では、徹底的に日本の権益を破壊すると宣言。電力市場の完全自由化、医療の産業化、コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と言い放ちました。

 TPP協定締結に前のめりになり、保護貿易に反対。戦勝国が構築した「戦後レジーム」からの脱却を唱えながら、ひたすら対米隷属の「戦後レジーム」を固定化してきました。

 こんな「国家主義者」がいるわけがないでしょう。

「竹中(平蔵)先生は愛国者」という言葉が示すように、安倍の行動はすがすがしいほど一貫しています。

 新経済連盟の新年会では「先ほど、三木谷(浩史)さんからご紹介をいただきましたが、新経済連のご要望はほとんど、我々がやらさせていただいているのではないかなと、こんなように思います」「私たちも感謝申し上げますが、皆さんにもちょっと感謝していただきたいと思います」「農業・雇用・医療・エネルギーといった分野での岩盤規制改革をさらに強力に進めるための法案を提出いたします。改革が後退したり、骨抜きになったりすることは、決してありません」と発言。

 これくらい例を挙げれば十分でしょう。安倍が奉仕しているのは財界とウォール街です。

 

次のページ人治国家への転落

KEYWORDS:

【緊急告知】

適菜収の最新日本論、大衆社会論の新刊

『日本をダメにした 新B層の研究』

(KKベストセラーズ)

 8月8日(月)に全国書店、Amazonで発売予定です!

※以下のカバー画像をクリックするとAmazonページにジャンプします

  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

 

第一章 内田樹と『日本辺境論』

 

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 

第二章 自立を拒絶する人たち

 

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 

第三章 「正義」を笠に着る人たち

 

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 

第四章 陰謀論に走る人たち

 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

 

第五章 無責任な人たち

 

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

 

第六章 恥知らずな人たち

 

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

 

 ※上のカバー画像をクリックすればAmazonページにジャンプします

オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克』(文春新書)、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、清水忠史との共著『日本共産党政権奪取の条件』(KKベストセラーズ)など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。https://foomii.com/00171


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

日本をダメにした新B層の研究
日本をダメにした新B層の研究
  • 適菜収
  • 2022.08.10
ニッポンを蝕む全体主義 (祥伝社新書)
ニッポンを蝕む全体主義 (祥伝社新書)
  • 適菜 収
  • 2022.04.26
思想の免疫力: 賢者はいかにして危機を乗り越えたか
思想の免疫力: 賢者はいかにして危機を乗り越えたか
  • 中野剛志
  • 2021.08.12