自民がダメだから維新に入れるというのは愚の骨頂【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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自民がダメだから維新に入れるというのは愚の骨頂【適菜収】

国家という前提のない維新に国政を任せてはならない!


参院選2022の投票日までわずか一週間。複数の選挙区で大混戦模様だが、気になるのが維新の会の動き。「身を切る改革」を唱えながら、構造改革利権を手に入れようとしてきた連中は、恥も外聞もなく、いかがわしい候補者を立ててきた。維新の国家観とは何か? 維新が隠している目的は何か? 維新はどのような致命的な問題を抱えているのか? 作家・適菜収氏の近著『ニッポンを蝕む全体主義』(祥伝社)では維新の正体があますことなく語られている。さらに8月に発売予定の『日本をダメにした  新B層の研究』(小社刊)では「維新しぐさ」を一刀両断した。今回は『ニッポンを蝕む全体主義』本文から抜粋配信。


人材派遣大手パソナグループ会長の竹中平蔵と菅義偉の関係は深い。竹中が総務大臣時代、菅義偉は副大臣として仕える身だった。

 

■維新と菅義偉、竹中平蔵の関係

 

 ご存じの通り、維新のバックには菅義偉や竹中平蔵がいます。菅本人が語っているとおり、橋下を政界に呼び込む説得をしたのは菅です。あの手の連中の狙いは構造改革利権です。新自由主義的な政策を利用して社会を破壊し、「身を切る改革」と言いながら、庶民の身を切り、その過程で生まれた甘い汁を吸うわけです。

 橋下は「基本的には竹中さんの価値感、哲学と僕らの価値感、哲学はまったく一緒」と述べていますが、その「哲学」が、国家、社会、人間を蝕んできたのです。

 逆に言えば、橋下がモラルの欠片もない人間だからこそ、国家や社会の紐帯を破壊したい勢力が目をつけたのでしょう。

 橋下は安倍とも密接につながっています。

 安倍(とその周辺)は、右翼的なフィクションを利用することでネトウヨなどの情報弱者に配慮しながら、新自由主義路線により、国家機能の解体を進めてきました。その補完勢力である維新も構造改革利権を狙う政商と新自由主義勢力の先兵として動いています。

 連中は裏で完全につながっていますが、最近はそれを隠しもしなくなりました。

 橋下は二〇二一年一二月三〇日、テレビ番組でこう発言します。

 

《僕が大阪維新の会を立ち上げる前、まだ民主党政権の時、菅さんは野党の一議員だったんですけど、東京から週に一回ぐらい松井さんに会いに来てたんですよ。「時間ない? コーヒーでも飲もう」って。その時、松井さんは大阪府知事で》

 

《それぐらいの関係なんで、大阪の改革を安倍さんも菅さんも凄く評価してくれてましたから、カジノとかJRとか大阪万博、それからリニア。国の力がなかったら動かないようなことを協力してくれて、JR大阪駅の北側のうめきた、あれも開発が進んでますけど、あれも安倍さんと菅さんの力を借りてお金を引き出したんですよ》

 

 その後、橋下はツイッターで「週に一回ぐらい」を「月一回ぐらい」に修正しましたが、安倍や菅がカネを引き出すのに協力していたことを当事者が明言したわけです。安倍と菅は大阪市解体を巡る住民投票にも深くかかわっています。官邸は維新を応援するため、大阪の自民党に嫌がらせを繰り返しました。

 

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適菜収の最新日本論、大衆社会論の新刊

『日本をダメにした 新B層の研究』

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 8月8日(月)に全国書店、Amazonで発売予定です!

 

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

 

第一章 内田樹と『日本辺境論』

 

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 

第二章 自立を拒絶する人たち

 

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 

第三章 「正義」を笠に着る人たち

 

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 

第四章 陰謀論に走る人たち

 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

 

第五章 無責任な人たち

 

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

 

第六章 恥知らずな人たち

 

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

 

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オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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