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これが令和の全貌だ!【佐藤健志】

佐藤健志の「令和の真相」35

 

◆第二部 黄昏の現地妻国家

 

 紅い女神は「パパ」、すなわちアメリカの白い神の庇護下にあるわけですが、独立回復いらい対米従属を一貫して続けた戦後日本は、「現地妻国家」とも形容すべき存在。

 第二部では以下の評論を通じて、わが国が現在、いかなる立場に置かれているかを探求します。

 

(1)ナショナリズムと突然変異

(2)日米貿易交渉の真実

(3)安倍外交に見る「失敗の本質」

(4)大国はヤクザ、小国は娼婦

(5)「米朝ツイート会見」の大ウソ

(6)必殺! 米朝指導者ヨイショ合戦

 

 プロローグで論じた「自分に都合のよい形に現実認識をねじ曲げることで、現実に直面したふりをしつつ現実逃避を図る」姿勢は、第一部の後半に続いて「日米貿易交渉の真実」でふたたび顕在化、「安倍外交に見る『失敗の本質』」「大国はヤクザ、小国は娼婦」へと受け継がれる。

 こんな状態で、下手に国の再生をめざそうものなら、かえって亡国のリスクが高まることにもなりかねません。

 日本人に幻滅した紅い女神は、人々を安らかに滅ぼすべきではないかと考えるにいたりますが、「ナショナリズムと突然変異」をお読みいただければ分かるように、これはたんなる比喩ではないのです。

 

 片や、爽快なまでにヤバい国際社会の現実にスポットを当てたのが、「『米朝ツイート会見』の大ウソ」「必殺! 米朝指導者ヨイショ合戦」

「米朝ツイート会見」とは、20196月末、G20大阪サミットに出席すべく訪日したドナルド・トランプが、あるツイートをきっかけに金正恩と電撃的に会見したとされる出来事です。

 とはいえこの会見、経緯を見れば見るほど、事前にお膳立てが整っていたとしか思えないのですよ!

 

 問題のお膳立てとは、どのようなものだったか。

 整えたのは誰か。

 そしてそれは、日本にとって何を意味するか。

『ミッション・インポッシブル』もかくやの展開をどうぞ。

 

 そして「必殺! 米朝指導者ヨイショ合戦」では、2018年に開かれた第一回米朝首脳会談をめぐって、アメリカのメディア「FOXニュース」と、北朝鮮の「朝鮮中央テレビ」が、そっくりの反応を見せたことを取り上げます。

 みなさん、大いに笑って下さい。

次のページ第三部 崩壊する経済と社会

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佐藤 健志

さとう けんじ

佐藤健志(さとう・けんじ)
 1966年、東京生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒業。
 1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を当時の最年少で受賞。1990年、最初の単行本となる小説『チングー・韓国の友人』(新潮社)を刊行した。
 1992年の『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』(文藝春秋)より、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開。これは21世紀に入り、政治、経済、歴史、思想、文化などの多角的な切り口を融合した、戦後日本、さらには近代日本の本質をめぐる体系的探求へと成熟する。
 主著に『平和主義は貧困への道』(KKベストセラーズ)、『右の売国、左の亡国 2020s ファイナルカット』(経営科学出版)、『僕たちは戦後史を知らない』(祥伝社)、『バラバラ殺人の文明論』(PHP研究所)、『夢見られた近代』(NTT出版)、『本格保守宣言』(新潮新書)など。共著に『対論「炎上」日本のメカニズム』(文春新書)、『国家のツジツマ』( VNC)、訳書に『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』( PHP研究所)、『コモン・センス 完全版』(同)がある。『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』は2020年12月、文庫版としてリニューアルされた(PHP文庫。解説=中野剛志氏)。
 2019年いらい、経営科学出版よりオンライン講座を配信。『痛快! 戦後ニッポンの正体』全3巻に続き、現在は『佐藤健志のニッポン崩壊の研究』全3巻が制作されている。

 

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