日本ではリフトアップ効果で美容道具としてもお馴染みの【カッサ】ですが、タイでは伝統医療の一つとして認知されており、現地ではガン治療にも使われています。この【タイ式カッサ】の特徴とその効用について、実際に現地での施術レポート形式でヨガトラベラー土屋愛が書きました。

■伝統医療の一つとして認知されている【タイ式 カッサ】

https://unsplash.com/photos/7K4mlDH6wZo

 みなさん、こんにちは。ヨガトラベラーの土屋愛です。

 日本でもリフトアップ効果があると人気のカッサ。女性なら一度は耳にした事があるのではないでしょうか。伸びたハート型で顎のラインにピッタリ合う、水牛の角や天然石で出来たアレです、アレ。
 今回は、タイで見たタイ式カッサ(グアッシャ)をご紹介したいと思います。クリニックを訪れた時に、偶然にも治療に来ていたガン患者の方のお話しを聞く事もできたので、彼女の経験談と共にお届けします。

◆『カッサ』とは?
専用の板を使って皮膚の経絡や反射区を擦って刺激することで、毛細血管に圧を加えて血液の毒を肌表面に押し出し、経絡の流れを良くするというもの。東洋医学的なデトックスであるといえます。
引用元:https://j-kassa.jp/know

 


 タイでは、カッサは伝統医療の一つとして知られています。街中にある総合治療を行うほとんどのお寺でカッサが取り入れられており、文化として根付いています。日本でカッサと言えば、顔へ使うイメージがありますが、タイでは主に背中に使用します。
 

 

 チェンマイ郊外、周りには何も無い場所にあるカッサクリニックにお邪魔させて頂きました。人の紹介でない限り、なかなか自力では見つけられない場所という印象です。仏教の教えを基盤に施術をするタイの伝統医療というだけあって、クリニックの入り口には仏壇専用の部屋があり、患者さんは仏壇へお参りをしてから治療を受けます。

 

 

 この日は、私が参加しているツアー主催者でありタイマッサージ講師のセバスチャン・ブルーノ氏が、痛みのある肩の治療を受ける事になりました。

 現地の人々は、先生の事を「マエ・ムー」と呼びます。具合の悪い患者さんに光を照らし、母親のように導いてくれる存在という意味だそうです。そんな先生が自ら調合した薬用ハーブを漬け込んだオイルを肌に塗り、最初は小さいカッサを上から下に向かって滑らしていきます。
 私たちが知る可愛らしいカッサではなく、ナイフの形をしているため、なかなかのインパクトがあります。

 カッサは元々、中国から伝わったと言われていますが、このナイフの形をしたカッサはランナー王国時代(旧チェンマイ王朝)から継承された物だそうです。カッサを滑らす時は、体重をほとんどかけないのですが、なかなか痛そう…。炎症が強く毒素が多いほど痛みを伴うようで、皮膚は瞬く間に真っ赤になっていきます。

 

 

■色味で分かる身体の症状

 真っ赤に燃える皮膚の中にも色味の違いがあり、鮮やかな赤色の場合は身体の中にあった余計な「火」の要素が表面に出てきているという事だそうです。ですので、熱がある時に、背中をカッサで擦ると熱が下がる事が多いとのこと。
 その後、中くらいの大きさのカッサに変更してさらに深く毒素を流していくと、皮膚の色は「赤茶」→「紫」という風に濃くなっていきます。この色こそ、よどみや毒素を表す色なのだとか。

 血液をサラサラにする効果以外にも、四十肩のような関節の炎症にも大きな効果が期待できるというカッサ。皮膚を擦って毒素や老廃物を排出させるわけですが、筋肉の張りにも効果があり、綺麗になった血液や経絡は自然治癒力をどんどん高めていくそうです。

 

 

 ラストはツアー参加者一同が驚愕した巨大なカッサでセッションを締めくくります。
 なんと、このカッサは、雷に打たれて死んでしまった水牛の角を使用したものだとか。雷に打たれた牛には、シャーマニックな癒しの力が宿ると信じられているようで、その牛の角を使ったカッサは大変貴重なものだそうです。

 先の尖った部分と側面で背中全体をチクチク叩く先生の顔は真剣そのもの。見ている方がハラハラするほどの大きさですが、受けている本人は至って平気なようで「痛みはあまりない」のだそう。
 写真でも熱が分散されて赤味が消えているのがお分かり頂けると思います(毒素が多かった色の濃い場所は2、3日は痕が残るそうです)。

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