左遷された(されそうな)人に気づいてほしい陽転思考とは【角田陽一郎×加藤昌治】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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左遷された(されそうな)人に気づいてほしい陽転思考とは【角田陽一郎×加藤昌治】

『仕事人生あんちょこ辞典——50歳の誤算で見えた「ブレイクスルーの裏技45」』とは

■「すべてのものに何かしらの意味も価値もある」ことに気付くこと

 

加藤:左遷って、自分にとってつらいことではあるけど、世の中にはもっとつらい人もいっぱいいるじゃん。そういう「他の人たちの話」をたくさん知ることでも、自分に起きた左遷をある程度は相対化できると思うんだよね。別のところで比較するな、って割と激しく云った記憶もありますけど、使える時は使おうのずるさで。

 「下には下がいる」っていう云い方は好くないとは思うけど、「自分はまだそこまでじゃない」みたいなキープのしかただってある。それまでずっとプラスの比較をしてきたところに左遷されたんだとしたら、今度は逆にマイナスの比較も使えばいい。上に向かおうとする時だけはすごく比較を使っているんだけど、自分が左遷された途端、それが絶対的な位置みたいに思ってしまうわけじゃない?

 

角田:比較基準を変えるってこと?

 

加藤:常に「相対的なものなんだ」って思って、「上に行こうが下に行こうが、どっちにしても途中でしょ」っていう考え方もあっていいと思うけどね。常ならずの「無常」に近いかもな。

 

角田:僕は今軽自動車に乗っていて、「要は走れればいいんじゃないの?」っていう気もするんだ。

 高級車に乗ってようが軽自動車に乗ってようが、要は走ればいい、自分が満足して乗っているんだってことを実感できるタイミングとして、左遷って一番おいしいんだよね。どこかでそのタイミングが持てないと、ずっと高級車に乗りたいって人生になっちゃう。でも、一回左遷されると「軽自動車でもいいんだ」ってなれる。

 

加藤:それはまさに陽転思考だ。

 

角田:軽自動車しか停められない駐車場もあるとか、高速道路が一割引だとか、狭い道が超楽だとか、僕にとっていいことしかないんだよね。むしろデカい車に乗る利点が分かんなくなっちゃった。だから、左遷ってそういうきっかけをくれると思う。

 

加藤:すべてのものに何かしらの意味も価値もあるってことに気付くよね。その価値を発見できると、自分の中で素敵なことが増えるわけじゃん。

 

角田:そうそう。一〇年前は「軽とか乗るわけないな」って思ってたもん。

 

加藤:会社だけが人生でもないからね。

 

角田:それは辞めた角田も、居続けている加藤くんもふたりとも思っているよね。

 

◎角田陽一郎、加藤昌治が考える「左遷」の定義

 

(角田)左遷されたことがない人は、生きるための強さを得るチャンスがない人だ。

(加藤)終わりか始まりか。どちらに捉えるかで大きく変わる転機。

 

※新刊『仕事人生あんちょこ辞典———50歳の誤算で見えた「ブレイクスルーの裏技45」』から抜粋

 

(構成:甲斐荘秀生)

 

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

 

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角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

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  • 2021.09.02