■世界的に注目が高まる高血圧 日本人の3人に1人は要注意

 今年も寒い季節を迎えました。血圧は季節によって変動します。気温が高い夏の時期は、血圧が低下しやすくなりますが、10月以降気温が低くなると血圧が上昇するので、夏に血圧が低かった人もこの時期は特に注意が必要です。高血圧の状態を放置していると動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、あるいは慢性腎臓病などの重大な病気のリスクも高めます。そこで、「高血圧は動脈硬化の最大の危険因子」とその重要性を指摘する“血管の名医”、循環器専門医の池谷敏郎先生に、高血圧の対策法を伺いました。

 

■治療ガイドライン改訂から半年 高血圧シーズン到来

 池谷先生は、「気温が下がり、体感温度が下がると、体の熱が外に逃げないよう全身の血管が収縮するため、血圧が上昇します。実際にこの時期は、高血圧の患者さんが増える時期です。現在、日本の高血圧患者は約4300万人もいると言われています。世界的な多くの研究結果から、高血圧と様々な疾患についての関係が次第に明らかとなる中、今年の4月に高血圧治療ガイドラインが改訂され、一般成人の降圧目標値が、これまでの『140/90』から、『130/80』未満に引き下げられました。より厳格な降圧の必要性が求められる今、降圧剤に頼るだけでなく、食事や運動に気をつけることの重要性がより高まってきています。血圧が上昇しやすいこれからの季節、これまで以上に生活習慣に留意していただきたいと思います。」と、食事や運動習慣、睡眠などの血圧コントロールに影響する生活習慣改善の必要性が再認識されていることを述べている。

 

■夏太りも高血圧の要因に

 池谷先生によると、「高血圧の予防として、”減塩”が代表的ですが、血圧を正常化へ向ける方法のひとつが、減量、すなわち内臓脂肪を減らすことです。夏の暑さによる運動不足に加え、偏った食生活で、すっかり夏太りしてしまったという人も多いのではないでしょうか。特に、食べやすい麺類など炭水化物中心の食事は、 糖質の過剰摂取や野菜不足に陥ってしまい、知らぬ間に内臓脂肪を増やしてしまう原因になります。内蔵脂肪が増えるとインスリンの働きが悪くなります。インスリンの働きが悪くなると、食後の血糖値が異常に上昇するので、さらにインスリンが過剰分泌されやすくなります。すると、血糖値を下げるほか、脂肪を蓄積させるというインスリンの作用によって、内臓脂肪蓄積の負のスパイラルに陥ります。このような病的状態は、動脈硬化のリスクになるとともに、やがて糖尿病へと進展する危険性を有しているのです。」

 

■注目の成分「GABA」降圧効果

「血圧を下げるためにGABAを摂取することもオススメです。GABAは、穀物や野菜、果実などに含まれるアミノ酸です。GABAには、消化管から体内に吸収され、交感神経末端からでる血管収縮作用伝達物質のノルアドレナリンの分泌を抑制します。ノルアドレナリンは細動脈を収縮させる作用があるので、この分泌を抑制することによって、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にしてくれます。これによって血圧の低下をもたらす効果が期待できますが、GABAの自律神経を介したリラックス効果で睡眠の質が高まれば、その効果がより高まると考えられます。」

「私のイチオシは“大豆もやし”です。もやしといっても普通のもやしではなく、豆がついている 豆もやし”です。『もやしっ子』という言葉から連想されるように、もやしには栄養が無さそうなイメージがあるかもしれません。しかし、大豆を発芽させた大豆もやしはGABAをはじめとして、大豆イソフラボンや食物繊維、ミネラルなど様々な栄養素が含まれているお手軽に食べられるスーパーフードです。一般的なもやしである緑豆もやしの2~3倍もの豊富な栄養素が含まれています。また、低糖質の食材で腹持ちもよいので、内臓脂肪を減らす食材としてもオススメです。」