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AV女優の高スペック化がブスをますます貧乏にする

外見がすべてということは若い女性には真理すぎる真理

現実はいつも泥臭くダサくて哀しく矮小で貧乏くさくて意味不明だ。でも大丈夫。馬鹿でもブスでも貧乏でも、きちんと生きていれば、そんな現実を受け入れ愛することができるようになる。疲れたら、ちょっとの間だけファンタジーに逃げ、元気になったら、また現実とおつきあいすればいい。(『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』著/藤森 かよこ より)

■ブスで馬鹿で貧乏だと、もっと貧乏になる

 今のあなたは、まだまだ孤独がいやだと思う。ならば、とりあえず、まずは他人から目に見える存在になろう。自分自身を可視化させよう。つまり、あなたのブス度を低下させよう。

 何度も言う。青春期のあなたにとって、青春期が寂しい理由の大きなひとつは、あなたがブスだからだ。外見がすべてということは、特に若い女性に関しては真理過ぎる真理だ。私は偽善的な気休めは書かない。

 若くしてブスで馬鹿でも、生家が貴族とか財閥とか資産家で確実に確実に生涯食いっぱぐれがない場合は、ブスで馬鹿なままでいい。

 しかし、貧乏な庶民でブスで馬鹿だと、さらに貧困になる。

 馬鹿だと生活保護の申請もできない。申請書類は相当にややこしい。一度、大田のりこと河西保夫(かわにしやすお)「監修・大山典宏(おおやまのりひろ)」の『プチ生活保護のススメ』(クラブハウス、二〇〇九年)を読んでみよう。「生活保護法による保護申請書」とか「収入申告書」とか「資産申告書」とか、いろいろ作成しなければならない。

 自分で長年の間に掛け金を払い込んできた年金でさえ、自分で申請しないと給付されないのが日本だ。かつ申請書類は多くややこしい。

 貧乏な庶民でブスで馬鹿な女性は、「女性の最後の仕事」であるセックスワーカーにもなれない。

 中村淳彦(なかむらあつひこ)と鈴木大介(すずきだいすけ)の対談集に、『貧困とセックス』(イースト新書、二〇一六年)がある。この対談集によると、かつては、アダルトビデオ界参入は、若い女性が食べていくための最後の手段のひとつだった。風俗しかり、売春しかり。そこでしっかり稼いで貧困から抜け出す女性も少なくなかった。ところが、最近は事情が激変したらしい。

 長引く不況のせいで、偏差値の高い有名大学の学生や大学院生が、一般的なアルバイトより費用対効果が高いアダルトビデオ界に参入する例が多くなった。

 奨学金(という名の借金)を借りていたら卒業後の返済が厄介だ。完済するのに二〇年間ぐらいかかる。だから、在学中は「女子大学生ブランド」を駆使して、アダルトビデオ界でも風俗産業でも稼ぐ。かつ、学業にも手を抜かず、企業研究や就活にも手を抜かず、卒業したらセックス産業界からサッサと去る。

 おかげでアダルトビデオ界でも風俗業界でも売春業界でも、雇用される女性のスペックが高くなってしまったというわけだ。

 中には、慶応大学や東京大学大学院在籍時代にアダルトビデオに出演した体験を元に修士論文を書き、その論文を元に『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌(じょうぜつ)に自らを語るのか』(青土社、二〇一三年)を出版した女性もいる。鈴木涼美(すずきすずみ)さんだ。

 良家の子女が、学費を稼ぐ必要もないのにAV女優になるのか。そんな時代なのか。

 ともかく、このような女性たちの活躍によって、かつてのような低学歴で貧困で頼れる家族も誰もいない女性たちの最後の職場が収縮してしまった。

 同じことを、前述の鈴木大介氏は『最貧困女子』においても言及している。いまどきの風俗では雇用してくれない低スペック女子は、五千円と引き換えに売春をするしか食べる手段がなくなっているそうだ。

 そこそこのスペックのある女性は、普通の会社勤務をしながら、週に一回のセックスワークをこなし家計補助ができる。そのような実例も、鈴木氏は紹介している。

 低スペック女子にとっての最後の職場が収縮している背景には、アダルトビデオとか風俗とかのセックス産業が前ほど儲からなくなっているという状況がある。この業界自体の衰退と長引く不況による雇用の悪化という状況がある。セックスワーカーに支払う金がないなら、パソコンやタブレットやスマホで性交動画を無料で視聴すればいいのだから。

 警察や当局の取り締まりも厳しくなっている。暴力団間でやりとりする表に出ない九兆円(?)と予想される現金を捕捉(ほそく)して税金をかけたい国税庁(財務省)の意を汲んだ警察の暴力団つぶしのために、暴力団関連の売春業界にまで警察が一層に取締りを強化しているそうだ。

 ともかく、昨今のセックス産業に参入する女性の高スペック化のために、ブス(デブも含む)は、ほんとうに貧困から抜け出せなくなっている。

 若いくせにデブでブスが危ない。若いときにブスでデブであることのリスクは大きい。

 なんとなれば、人生における生活費獲得競争の緒戦(しょせん)は、遅くとも三七歳までで終わるから。それまでに定職に就くなり、自営を軌道に乗せれば、貧困状態には落ちない。

 しかし、若くしてデブでブスは企業には採用され難い。雇用側は、職場において、デブでブスの女の子にウロチョロされたくない。男性労働者の士気(しき)が下がる。

 だから、ブスは専門職に従事できるように勉強するしかない。しかし、あなたは専門職に従事するには頭が悪い。『ブスのマーケティング戦略』の著者の田村麻美さんのように税理士試験に受からない。国家資格なんて無理。

 美人は食ってゆける。馬鹿でも食ってゆける。「ずるい!」と言ってもしかたない。

「まともな男」を捕まえて結婚すれば食ってゆける。まともで騙される男は、いくらでもいる。二〇年後や三〇年後にデブになろうがブスになろうが大丈夫だ。「妻がデブでブスになった」という理由では離婚できない。「夫の足が異常に臭い」という理由では離婚できないのと同じように。

 美人ならば、愛人稼業でも食ってゆける。「後妻業」でも食ってゆける。水商売で成功することもできる。ニッチもサッチもいかなくなったら、セックス産業もある。でも、ブスにはその手も使えなくなった。

KEYWORDS:

馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。

著者/藤森かよこ

 

死ぬ瞬間に、あなたが自分の人生を

肯定できるかどうかが問題だ!

学校では絶対に教えてくれなかった!

元祖リバータリアンである

アイン・ランド研究の第一人者が放つ

本音の「女のサバイバル術」

ジェーン・スーさんが警告コメント!!

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これは警告文です。本作はハイコンテクストで、読み手には相当のリテラシーが求められます。自信のない方は、ここで回れ右を。「馬鹿」は197回、「ブス」は154回、「貧乏」は129回出てきます。打たれ弱い人も回れ右。書かれているのは絶対の真実ではなく、著者の信条です。区別がつかない人も回れ右。世界がどう見えたら頑張れるかを、藤森さんがとことん考えた末の、愛にあふれたサバイバル術。自己憐憫に唾棄したい人向け。  

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あなたは「彼ら」に関係なく幸福でいることだ。権力も地位もカネも何もないのに、幸福でいるってことだ。平気で堂々と、幸福でいるってことだ。世界を、人々を、社会を、「彼ら」を無駄に無意味に恐れず、憎まず、そんなのどーでもいいと思うような晴れ晴れとした人生を生きることだ。「彼ら」が繰り出す現象を眺めつつ、その現象の奥にある真実について考えつつ、その現象に浸食されない自分を創り生き切ることだ。

中年になったあなたは、それぐらいの責任感を社会に持とう。もう、大人なんだから。 社会があれしてくれない、これしてくれない、他人が自分の都合よく動かないとギャア ギャア騒ぐのは、いくら馬鹿なあなたでも三七歳までだ。(本文中より抜粋)

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課 程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。  

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