日本と韓国のアイドルのあり方や求められるものはここまで違いがあるという事実を分析する。(『韓流アイドルの深い闇』著/金山 勲より

■日本は〝未熟〟が売れ、韓国では〝完璧〟が求められる

 

◆個性を重視した日本のアイドル

 当時、日本の業界ではアイドルを構成する重要なコンセプトの一つは「素人っぽさ」だった。

 女性アイドルの場合、スタイルや歌唱力はあまり問われず、「かわいい」顔としぐさで、隣にいる女の子らしい親近感が優先され、音痴もキャラの一つとして容認されていた。

 だが、某大手プロダクション創業者社長は、スターになるアイドルには、冒しがたい美しさがあるべきという水準があったのだろう。

 後に日本の女性アイドル界でレジェンド的存在になったアイドルがデビューするに当たって、彼女を見た社長は「O脚でスタイルが悪い」と採用を断ったというエピソードがある。だが彼女はその後、一世を風靡する大物に変身した。

 日本で売れる芸能人の基本的要素が、個性を重視した多様化の時代へと変化していたのである。

 彼女に続けとばかりに、その後アイドルを発掘するオーディションはいろいろな形で盛んに行われ、私も現場に立ち会うことがあった。押しなべて言えるのは、オーディションに合格するのは歌唱力、スタイル、顔立ちの美しさなどで、普通ならば当然備えておかなければならない素養に対しての優先順位は低かった。

 当時から、音響技術は驚異的に進歩しており、音程がずれて歌ったとしても、修正が可能であったからだ。

 さらに言えば、テレビ、映画、スポーツ紙、週刊誌とのメディアミックスで、さまざまな角度から宣伝プロモーションが頻繁に行われていたことも、当時の「アイドル」を容易に売り出すことを可能にしていたのである。

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