「東京五輪開催がコロナ感染拡大につながらないか」天皇陛下のご発言は「聖断」ではないのか【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

「東京五輪開催がコロナ感染拡大につながらないか」天皇陛下のご発言は「聖断」ではないのか【適菜収】

 

 安倍菅政権は、一貫して国を破壊し、世に害を与えてきた。

 安保法制騒動では憲法破壊に手を染め、北方領土の主権を棚上げし、不平等条約締結に邁進。国のかたちを変えてしまう移民政策を嘘とデマで押し通し、森友事件における財務省の公文書改竄、南スーダンPKOにおける防衛省の日報隠蔽、裁量労働制における厚生労働省のデータ捏造など、一連の「安倍晋三事件」で国の信頼性を完全に破壊した。

 安倍は、水道事業の民営化や放送局の外資規制の撤廃をもくろみ、皇室に嫌がらせを続け、「桜を見る会」問題では徹底的に証拠隠滅を図った。

 嘘とデマで招致した東京五輪。新国立競技場の設計は迷走を極め、エンブレムはパクリ騒動でやり直し、予算は膨張。「ここまで来たら引き返せない」という口実で、悪党が小遣い稼ぎのために、日本を再び焼け野原にしようとしている。

  私は「国賊」という言葉は安易に使うべきではないと思う。これは、都合の悪い人間にレッテルを貼るために使われてきた。たとえば戦時中に戦争に反対すると「国賊」「売国奴」「非国民」と罵倒された。しかし、戦争に反対することが、国家に仇するとは限らない。それどころか、無謀な戦争は国を滅ぼす。

 言葉は厳密に定義し、かつ正確に使わなければならない。

 天皇陛下は今の日本の危険な状況を懸念し、聖断を下された。

 国賊、逆賊という言葉の意味を、政府も国民も、もう一度真剣に考えるべきだ。

 

文:適菜 収(てきな・おさむ)

 

KEYWORDS:

※カバー画像をクリックするとAmazonサイトにジャンプします

オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

国賊論
国賊論
  • 適菜 収
  • 2020.04.21
日本人は豚になる: 三島由紀夫の予言
日本人は豚になる: 三島由紀夫の予言
  • 適菜 収
  • 2020.11.05
コロナと無責任な人たち (祥伝社新書)
コロナと無責任な人たち (祥伝社新書)
  • 適菜 収
  • 2021.05.01