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靴下・下着・肌着のリユース・リサイクル動向と消費者意識調査

ライフサイクルの短い衣類の約9割が、廃棄されていることが明らかに




Bioworks株式会社(本社:京都府相楽郡、代表取締役社長CEO:坂本孝治、以下「Bioworks」)は、衣類の中でもライフサイクルの短い靴下・下着(パンツ・ブラ・ショーツなど)・肌着(衣服の下に着用するインナーウェアなど)に焦点を当て、消費実態および廃棄状況に関する消費者調査を実施しました。


本調査は男女20歳以上の消費者1,111名を対象に実施され、靴下・下着・肌着が他の衣類より平均的な着用期間が短いにも関わらず、廃棄されやすいカテゴリーであることや、リサイクルに対する消費者の心理的ハードルが高いなど、循環性向上に向けた課題と可能性が明らかになりました。

消費者調査アンケート結果サマリー

過去1年間で購入した衣類の平均枚数は、靴下で3.9足、下着で3.4枚、肌着で2.9枚

※靴下・下着・肌着の購入枚数は「6足/枚以上」を「6足/枚」として平均値を算出。※その他の製品カテゴリーは、環境省の調査*2 より男女の平均値を算出。

平均着用期間は靴下で1.6年、下着で1.8年、肌着で2年

※着用期間は中央値に換算して(例:1~4ヶ月未満=2.5ヶ月)平均値を算出。※「5年以上」の回答は「5年」として算出。


靴下・下着・肌着の手放し方として「ゴミとして捨てる」を選択した人が最も多く、靴下で87.5%・下着で87.4%・肌着で82.2%
靴下・下着・肌着の手放し方について調査を行なったところ、約9割がリユース・リサイクルせずに廃棄していることが明らかになりました。環境省の調査 *1によると、家庭から廃棄した衣類全体のうち、ゴミとして廃棄されるものが66%であることを踏まえると、靴下・下着・肌着は、より廃棄されやすいカテゴリーであることが明らかになりました。


また、環境省の調査では、家庭から廃棄した衣類全体のうち、リユース・リサイクルされるものが34%あるのに対して、本調査では、靴下・下着・肌着のリユース・リサイクル率は平均で10.8%となり、より循環されにくいカテゴリーであることも明らかになりました。




*1 引用元:環境省 令和4年度 循環型ファッションの推進方策に関する調査業務
*2 引用元:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務

靴下・下着・肌着の廃棄が、環境に与える影響

仮に日本の人口の15-70歳までの8000万人が、本調査の結果明らかになったように、年間で一人あたり平均2.75足の靴下を手放して、そのうち87.5%をゴミとして廃棄していると仮定すると、年間の廃棄量は合計1億9250万枚におよび、衣類の廃棄に伴うCO2排出量が1kgあたり2.29kg-CO2、靴下1足の重さを約100gと仮定すると、年間で約22,000トンものCO2排出量に加担していることがわかります。*3
これは東京ドーム約9杯分に相当します。(※東京ドーム1杯=約124万m³)



これからのアパレル産業は、環境や社会への負荷をいかに軽減しながら生産するか、商品を長く使ってもらうにはどうすべきか、そしてライフサイクル後にリサイクルできるかを考えて服作りをすることが求められています。
こうした背景において、製品寿命も短く次の循環に繋がりにくい靴下・下着・肌着は、より環境負荷の少ない原料への置き換えと、リサイクルのしやすさを設計できるかが重要な課題となります。

*3 引用元:地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン(第3版)

ライフサイクルの短い靴下・下着・肌着が、リユース・リサイクルされにくい背景

本調査では、靴下・下着・肌着が資源循環されにくい背景を探るべく、実際に靴下・下着・肌着をリユース・リサイクルした消費者に、リユース・リサイクルに伴う障壁について調査を行いました。


靴下・下着・肌着をリユース・リサイクルする際に、「どのようなことで困ったか」という問いに対する回答として、あまりに汚れすぎていて不安/臭い/使用感が気になる/リサイクルショップでは買い取ってもらえないなど、「衛生面で不安を感じたこと」や、思うように売れなかった/高くならないなど、「リセールの対価に期待とのギャップがあった」ことが挙げられました。

また、手順がわからなかった/思うようにいかなくて困ったなど、「利用方法の分かりにくさ」や、店舗に行くのが面倒/梱包が面倒/写真や説明文の手間/手続きが面倒といった、「面倒くささ」なども挙げられ、これらの「衛生面に対する不安」「得られる対価に対する不満足さ」「面倒臭さ」などの消費者の心理が、リユース・リサイクルの行動を妨げる障壁となっていることが明らかになりました。




この結果から、ライフサイクルの短い靴下・下着・肌着といった製品がより循環されやすくするためには、消費者が心理的な不安や不満を感じることなく、かつ、より手軽にリユース・リサイクルできるような回収の仕組み作りが重要であることが分かりました。さらに、衛生面への不安に対しては、回収後のプロセスの透明性を高めることが重要で、製品が実際に原料まで戻され、再利用されているプロセスを丁寧に伝え、理解を深めていく必要があると考えられます。


東京都が主催する社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」のコンセプト検証支援において、靴下・下着・肌着の中でも、最も年平均の購入枚数が多く、かつ最も手放されている枚数も多い「靴下」に焦点を当てて、どのようなユーザーエクスペリエンスを設計すれば最も循環性が高まるのかを仮説検証しながら、実際に回収された靴下をケミカルリサイクルして再資源化を試みる実証実験を行なっています。


実証実験に関するプレスリリースはこちら

消費者調査アンケート概要

調査時期:2025年 4月1日(火)~4月4日(金)
調査方法:インターネット調査(Fastaskを利用)
調査対象:全国、20歳以上、男女1111名

PlaXとは

「PlaX」は、サトウキビなどの植物を原料とするバイオマス素材「ポリ乳酸(PLA)」に、当社が独自に開発した「植物由来の添加剤」を加えることで、品質と機能をアップデートした環境負荷低減に貢献する新素材です。
石油由来の合成繊維であるポリエステルなどの代替はもちろん、汎用性に優れた素材として世界的に注目を集めています。


《PlaXの特徴》
・ポリエステルと比較して、PlaXに置き換えることで、長繊維の製造にかかるCO2排出量を70%削減、短繊維(原綿)の製造にかかるCO2排出量を50%削減。
・綿と比較して原料から糸製造時までの水使用量を90%削減。
・微生物によって水やCO2に分解される「生分解性」の特性を持つ素材。
・廃棄物から同等の素材を再生産する「ケミカルリサイクル」と相性が良く、資源を循環させるクローズドループの実現に向けた研究開発が進む。
・焼却廃棄時のCO2排出量を削減。ダイオキシンなどの有害物質も発生しない。

Bioworks株式会社 会社概要

Bioworksは、「つくる喜びと、着る豊かさが続く、新たな生態系(エコシステム)」をビジョンに、ポリ乳酸を原料とする植物由来の次世代合成繊維「PlaX」の製造・
販売を行うマテリアルクリエイションカンパニーです。


2015年の創業以来、ポリ乳酸の研究開発で蓄積された知見をもとに、2021年より繊維事
業へと展開。ファッション業界における石油由来原料からの脱却の一翼を担う素材とし
て、国内外の繊維企業やブランドから注目を集め、採用が始まっています。


■ Bioworks株式会社
代表取締役社長CEO:坂本孝治
本社:京都府相楽郡精華町光台1-7けいはんなプラザラボ棟7F
設立:2015年
事業内容:改質ポリ乳酸コンパウンド(PlaX)及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等


■ Bioworks WEB: https://www.bioworks.co.jp/
■ bio公式OnlineStore: https://bio-plax.com/
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