社内不倫生活から逃れるために婚活する「元女優」と出会う【石神賢介】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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社内不倫生活から逃れるために婚活する「元女優」と出会う【石神賢介】

「57歳で婚活したらすごかった」世にも奇妙な婚活体験記②【石神賢介】

■元女優と出会う

 

 婚活パーティーの会場でスタッフにアテンドされた個室には、すでに女性がいた。顔がとても小さい。アイドル歌手のような容姿だ。明らかに人に見られる職種だろう。

「こんにちは。よろしくお願いします」

 努めて明るくあいさつした。

「こちらこそ」

 彼女はにっこりと微笑んでくれた。発声が明瞭だ。完璧なナチュラルメイク。細身にモスグリーンのスーツ。こういう色は常に身なりに気を遣っている女性でないと似合わない。ショートヘアが知的なイメージを演出している。

 スタッフの合図で会話が始まった。

「マイです」

 隣の女性は名字でなく、名前で自己紹介をした。マイさんは40歳の契約社員で、職場は外資系の金融企業の総合受付。イベント会社にも登録していて、1か月に2、3回、週末に司会やナレーションの仕事もしているという。20代のころは劇団に所属していて、小さな役ながら、NHKの大河ドラマにも出演していたらしい。

 次の40歳の華道の先生ユキコさんは、職業には似つかわしくない服装で参加していた。黒のスーツの下の白いTシャツの襟ぐりは大きく開き、胸の谷間がくっきりと見えていた。ひたすら明るい。人懐こい性格なのだろう。初対面なのに、ボディタッチも交えて、終始笑顔で話し続ける。

 ほかには、保育園の先生、看護師、日系の航空会社のキャビンアテンダント、あと2人は会社員だった。婚活パーティーには、保育園や幼稚園の先生、看護師の女性がよく参加している。女性が多い職場で、出会いに恵まれないのだろう。

 恵比寿だからなのか、運がよかったのか、マイさん、ユキコさん、そして大手電気機器メーカーの秘書室の女性から電話番号やLINEのIDを教えてもらうことができた。

 

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石神賢介

いしがみ けんすけ

ライター

1962(昭和37)年生まれ。大学卒業後、雑誌・書籍の編集者を経てライター。幅広いジャンルを手がける。著書に40代のときの婚活体験をまとめた『婚活したらすごかった』(新潮新書)、最新刊に『57歳で婚活したらすごかった』(新潮新書)が話題に。

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