■待ち受ける、難読名駅

 ここから先の駅は、櫟本(いちのもと)、帯解(おびとけ)、京終(きょうばて)と知らなければ読めない駅名のオンパレードである。

帯解駅名標

 櫟本は、天狗の住む巨大な櫟(いちい)の木の根元があったという言い伝えに由来する。帯解は、駅のすぐ近くにある安産祈願の帯解寺に因んだものだ。美智子皇后陛下、雅子皇太子妃、秋篠宮妃紀子さまをはじめ皇族が安産祈願に訪れたことでも知られている。

帯解寺の案内

 そして京終は、奈良の都の終わるところ、はずれという意味で、実際市街地の南端に位置する。以上、3つの駅は、明治31(1898)年に開業したときの木造駅舎が今も大切に使われてきた。とくに京終駅は奈良市が復元改修工事を行い、待合室をリニューアルし、町づくりの拠点として活用していくことになり、何とも喜ばしいことである。

京終駅名標

 京終を出ると、いつしか高架となり、天王寺から延びてきた関西本線と合流すると終点奈良駅に到着する。しばらく来ないうちにすっかり近代的になった奈良駅は外国人観光客の姿が目立つ。ジャパンレイルパスを使う彼らは近鉄ではなくJRを愛用しているのだ。改札を出ると、観光案内所が目に留まったが、建物はかつての奈良駅舎だった。懐かしく由緒ある建物は新たな使命を担って第二の人生を歩んでいると知って安心した次第である。

奈良駅に到着した桜井線電車
奈良駅旧駅舎