声を大にして言おう。オールブラックス「2軍」視は間違いだ。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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声を大にして言おう。オールブラックス「2軍」視は間違いだ。

あす激突。黒子軍団はハングリーなときが一番怖い。

■声を大にして言おう。「2軍」など存在しない

 日本はむしろ、今回のようなオールブラックスだからこそ最大級の警戒をしなければならないだろう。

 選手たちがピッチで向き合う現実そのものは、「1軍」や「2軍」といった生易しいものでない。現実へ向けた準備をしている選手たちが、1軍か2軍かという議論に関わることはないだろう。日本代表の選手たちが今回のオールブラックスを甘く見るようなことはない。

 しかしその周囲で「今回は2軍」という言説が流布してしまえば――。たとえ今回歴史的な初勝利を挙げても「相手は2軍だった」と言われ、負ければ「2軍相手に負けた」と言われてしまう。便宜的に使用される「2軍」という表現が、選手・スタッフの努力に疵をつけてしまうこともありうる。

 だから言わなければならない。オールブラックスはいつでもラグビー王国の生存競争を生き抜いたラグビーエリートの集団であり、黒衣にプライドを持ち、2019年W杯を控えた今回は士気も高い。ジャパンにとっては、いつでも大損害をこうむりかねない相手。それがオールブラックスという存在だ。

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多羅 正崇

スポーツライター

法政二高-法政大学ではラグビー部に所属。大学1年時にU19日本代表候補に選出される。法政大学大学院日本文学専攻卒。現在は「ラグビーリパブリック」「Number web」等に記事を寄稿。ユーモアエッセイストとしても活動中。


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