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どっかの外国?湯布院フローラルビレッジがカオスすぎた。

辛酸なめ子の脱力ヒーリング紀行

辛酸なめ子さんによる、「脱力ヒーリング紀行」3回目の連載。今回は大分・湯布院フローラルビレッジを訪問。『魔女の宅急便』のグッズを扱うショップもあれば、ピーターラビットにハイジ、トトロやディズニープリンセスのグッズ店まで。さらにはフクロウとのふれあいスポットでハリーポッター的な世界を味わえるなど、ヨーロッパへの夢を存分に体現した商業施設で目にした光景をルポしてもらいました!

■湯布院に行ってみた

 温泉県として名高い大分県の人気スポットといえば、別府と湯布院。別府は何度か行ったことがありましたが湯布院は未踏でした。先日大分県に出張ついでに立ち寄ってみました。

神社とか寺院の参道だったら、理性が働いてここまで煩悩ストリートにならなかったかもしれません……

 湯布院は、ひなびた温泉地ではなく、おしゃれカルチャーとスイーツカルチャーが混ざり合う、適度に大衆化された雰囲気です。近いのは箱根とか鎌倉でしょうか。金鱗湖という景勝地に向かう通りには、おいしそうな店が軒を連ねている、というより、スイーツ店がしのぎを削っています。ソフトクリーム、ジェラート、アップルパイ、わらび餅、プリンどら、プリンソフト、醤油プリン、ケーゼクーヘン……。少しでも目立とうと、独創的なメニューを提案する店も。スイーツが多すぎてスイーツ天国というよりスイーツ責め地獄です。

 そんな中、ところどころにカルチャー施設もあり、昭和っぽい建物で開催中の山下清版画展にも若干惹かれましたが、何より「アルプスの少女ハイジの泉」という看板が気になりました。ハイジの泉? ある予感を抱きつつ、その泉があるという「フローラルビレッジ」に向かいました。家族連れが「どっかの外国を模してるんだって!」と言いながら入っていきます。しかし足を踏み入れると「どっかの外国」という漠然とした形容詞ではとても語れないほどのカオス空間でした。

癒し系の絵も売られています。建物もわりとしっかりとした造りです。

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辛酸 なめ子

漫画家・コラムニスト



東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部卒業。



皇室からオカルト、スピリチュアルや海外セレブゴシップまで、観察テーマは多岐に渡る。近著に『大人のコミュニケーション術 -渡る世間は罠だらけ-』(光文社新書)や『おしゃ修行』双葉社などがある。


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