至福の15分。世界の名将が部員数6人の高校ラグビー部に直指導! |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

至福の15分。世界の名将が部員数6人の高校ラグビー部に直指導!

2019年ラグビーW杯、準々決勝の地。エディー・ジョーンズが大分を訪問。〈後編〉

7月13日、元ラグビー日本代表(現イングランド代表)HCの、エディー・ジョーンズ氏が大分を訪問した。レポート前編〈エディーHC、W杯「決戦の地」大分で必勝祈願。焚き火で闘志を燃やす。〉に続いて、大分県立別府鶴見丘高校でのミニラグビー教室の模様をお届けする。

■ミニラグビー教室を開催

 教室での講義を終えたジョーンズ氏は、部員数わずか6人ながらも頑張るラグビー部にコーチングを行う為、グランドへと向かった。コーチングの為の時間が限られているとは言え、世界の名将にコーチして貰える機会を得たラグビー部員たちは、緊張しながらも興奮を隠しきれない。

 

「パスを貰う時は、手を伸ばして手首から先だけでボールをとるようにしなさい」

 アーリー・キャッチ(early catch)と言われるラグビーの基本的なスキルの一つ。30度を超える暑さのなか、ジョーンズ氏は真剣な眼差しで、高校生たちへのラグビー教室を始めた。

「パスを貰う時は、必ずそのままパサーの前に出るようにスペースを走り抜けるんだ!」

 短い時間ながら、大切な基本をしっかりと教えようとするジョーンズ氏の通訳を務めるのは、松平貴子さん。ジョーンズ氏の日本代表監督時代、その前のサントリー監督時代にも通訳を務めたこともあり、氏のコーチングスタイルをよく理解する人だ。「英語から日本語に通訳するだけでなく、エディさんの情熱やその意図も一緒に伝えることを心掛けて通訳しています」と言う。

 ニュージランド在住時代に始めたラグビー選手としての実績は、女子日本代表で長年プレーしたほど。ジョーンズ氏の口から発せられる、英語でのラグビー用語やそのコンセプトへの理解も申し分ない。

 6人の部員での練習は3人対3のタッチラグビー(ボールキャリアは、タックルの代わりに両手でタッチされた時点で走るのを止め、次のフェーズの攻撃を始める)となり、ディフェンスが目の前にいる状況での基本へのコーチングに入る。

 「相手に向かって真っすぐ走り、ディフェンスを自分に引き付けることを意識しなさい。その時、さっき言ったように、スペースに向かって走ることを忘れないように」

次のページ世界の名将と大分との縁が生まれた

KEYWORDS:

オススメ記事

エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


この著者の記事一覧