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全国的にも珍しい武者走りが通行可能な府内城

外川淳の「城の搦め手」第63回

■竹中重利が完成させた府内城

 大分城、荷揚城(にあげじょう)、白雉城(はくちじょう)とも呼ばれる府内城。慶長2年(1597年)、府内に12万石で入封した福原直高が築城を始め、早川長政の府内領再封を経て、3万5千石で入封した竹中重利が完成させた。

 江戸時代には府内藩2万1000石の藩庁が置かれていたが、明治初期、本丸・東丸・西丸の建造物以外は破却。堀の一部も埋め立てられた。さらに、戦時中の空襲により数棟の櫓が焼失した。

 

 この府内城のポイントは、堀端の武者走りが通行可能なこと。豊後大分の府内城は、アスファルト状に舗装されていることもあり、本丸の武者走りを歩きながら、石垣や櫓を仰ぎみることができる。これは全国的にも珍しい。

 城の記事を書いていると、武者走りや犬走りなど、城郭に関連する専門用語を登場させると、解説をする必要性を感じることもある。

 ただし、この「城の搦め手」のようなネットで配信されている記事であれば、マウスを操作して検索機能を使えば、専門用語の解説も容易に知ることができ、わざわざ「武者走りとは」と教示する必要がないのは、ありがたいことだと思う。

 

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外川 淳

とがわ じゅん

1963年、神奈川県生まれ。早稲田大学日本史学科卒。歴史雑誌の編集者を経て、現在、歴史アナリスト。



戦国時代から幕末維新まで、軍事史を得意分野とする。



著書『秀吉 戦国城盗り物語』『しぶとい戦国武将伝』『完全制覇 戦国合戦史』『早分かり戦国史』など。



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