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エディーHC メディアの批判を意に介さない理由

自分の力でコントロールできない事を心配するな【「プレッシャー」の力①】

■自分の力でコントロールできることに最大限のエネルギーを注ぐ

 先ほども言ったように、私は自分の力でコントロールできないことなど心配しない。自分の力でコントロールできることに最大限のエネルギーを費やし、それによって自分からくるプレッシャーに対処している。

 今でも、大きな試合の前は緊張するし、「チームを勝たせたい」という強い思いが私にプレッシャーとなりつきまとう。だからこそ、監督としてチームに万全の準備をさせる為に尽力し、このプレッシャーに対処している。私の場合は、自身から生まれてくるプレッシャーに対して、徹底した事前の準備を行うことで、対応している。

――自分でコントロールできないものからくるプレッシャーは心配せずに、自分の力でコントールできることに全力を尽くし、プレッシャーに対応する。

 これは、ラグビーなどのスポーツの世界だけでなく、皆さんが日々生きているビジネスの世界にも言えるはず。心配しても仕方がないプレッシャーに、余計なエネルギーを使っている人は多いのではないか。特に、日本人は文化的に、周囲の人の意見というものを、ときに気にし過ぎてしまう傾向がある。

 だが、そうしたプレッシャーに対する最大の対処法は、自分自身がいかに高いパフォーマンスを見せるかにかかっているのではないだろうか。チームワークの環境でも、自分がいかに周囲の人とやりとりするかという、自分自身の思考や行動に、本当の解決策が潜んでいるのではないか?

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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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