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交流会やパーティで孤立してしまう致命的要因

AI時代のリーダーの原則⑥

■時代を追い越す力~時代に取り残されない秘訣

 次に、AI時代に取り残されない秘訣についてです。

 とうとうAIに仕事を奪われる時代になったか? と現実味を感じたのは、大手銀行の人員削減計画の発表でした。もちろん業務削減などもありますが、AIやデジタル化によって職を失う人が現実に表面化した、AI失業時代の幕開けかもしれません。

 時代に取り残される人種で一番多いのは誰か? それはリーダーです。

 なぜなら現場から離れて環境の変化に気づくのも遅いですし、なにより、変化をしなければならないと気づきにくい仕事だからです。

 私は、「インバスケット」という教育ツールを専門としている専門家ですが、時代の流れは一番怖く感じます。私が最も一番怖いのでは、時代が「インバスケット」というツールを必要としなくなることです。

 今は必要とされていても、これからも必要とされる保証は一つもないのです。
 ですから時代に追い抜かれると負け、つまり存在意義をなくしてしまう結果になるのです。

 時代について行くには、時代に追いつき、時代をリードしていくことが必要です。

 そのためには、たった一つのことを気にしているだけでいいのです。

「相手が何を求めているのか」です。

 私が以前勤めていたダイエーは日本で最大の小売業でした。

 安くてよいものを提供するという経営哲学が、当時の安かろう悪かろうの時代を塗り替えたから急成長したのです。

 しかし、お客様のニーズに追いつくことが出来なくなったことから、急速にお客様が離れていきました。

 私自身も自分たちの商品は絶対売れる、自分たちのお店はすばらしい、そのような思いが強すぎたせいか、刻々と変化するお客様のニーズを見誤り、利便性やニーズの多様化に対応できなかったと振り返っています。

 常に時代の波に乗っていかないと、以前は必要なものが、あっという間に不要と化してしまうのです。

 ですから、常に顧客と現場を見てこれから何が求められるのかを察知することが大事です。

 リーダー職も求められるものは大きく変わります。今時、リーダー風をふかせて顎で指示をするようなリーダーは不要です。今後望まれる新しいリーダー像は何かを考えていく必要があるのです。

 私自身も経営者として、スタイルを常に見直す必要があることを痛感しています。
 システムも勉強しなければなりませんし、今の若い方をどう育てるか、また法的な環境整備など時代の波にいつ取り残されるかと危機感を持っています。

 時代に取り残されたリーダーは引退するしかないでしょう。

 チームにとって重荷になるからです。

 そうならないように波を常に感知して、危機感を持って変化していかなければならないのです。

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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  • 2018.04.19