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信長・秀吉・家康・政宗・清正 戦国武将が地名に託した思いとは?

【地名の謎と歴史】戦国武将が 名付けた地名

■伊達政宗 仙台(宮城県)
「千体」「千代」から「仙台」へ

伊達政宗像:像のある仙台城(青葉城)は約270年にわたる伊達氏の居城として知られる。

「仙台」の地は、伊達政宗が城を築いて名を改めるまで「千代」の字が用いられていたが、その由来は、城の脇に「千体仏」が置かれていたことにある。また、政宗は改名にあたって「仙」の字を、人の住む理想郷を意味する「仙台」という言葉が登場する、中国の唐時代の漢詩「同じく仙遊観に題す」からとったといわれている。

 

■加藤清正 熊本(熊本県)
  武将らしい勇猛さを連想

加藤清正銅像:清正を祀る神社に立つ像。「せいしょこさん」として親しまれる。

 加藤清正はこの地の領主になると「隈本城」と呼ばれる古城に入ったが、すぐさま改修に着手する。そして、慶長12年(1607)、新たな城は完成したが、このとき清正は「隈」の字にはネガティブな印象があるため、武将の城としては不適切だと考える。そこで勇猛な「熊」の字に変えることを命じ、「熊本」の地名が誕生するに至った。

熊本城:築城の名手・清正が築いた名城。宇土櫓や門、塀などが現存。

『47都道府県 地名の謎と歴史』より抜粋)

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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