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宇野常寛に聞いた「30代から新しいことを始めるには?」

宇野常寛さん3月毎日更新 Q15. 「30代から新しいことを始めるためには?」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

付き合う人のジャンルを変えてみる

 

 新しいことをやりたかったら、人間関係を変えることです。例えば、一緒にご飯を食べる人や遊ぶ人たちを意図的に入れ替えてみる。その人のことが好きだとか嫌いだとかじゃなく、「今まで親しくしてこなかったけど、違うタイプに人と付き合ってみようか」と思って実行してみるんですよ。そうしていくと、今までと違った世界が見えてくる。

 

 僕は今言ったことを30代前半の時に意図的にやったんです。それまで僕が付き合っていたのは、同じ業界の人間たちばかりでした。以前の質問でもお答えしたように、評論の世界って実はものすごくムラ社会なんです。嫌がらせとかイジメもすごくて、実際に自分も嫌がらせみたいなことをされていました。例えば、「宇野のことが気に食わない」という理由からネットにいわれのない噂を書き込まれたりとか。その頃は、そういったことにうんざりしていたんで。ちょうど同じ頃に、親しくしていた友人たちがこの業界を辞めたり、あるいは、家族の都合で海外に移住した人がいて。そうやって偶然も重なりつつ、それぞれの都合で人間関係が自然とシャッフルされる環境があったんです。そのタイミングで付き合う人たちのジャンルを結構変えてみたんですよ。例えば、IT起業家の方や理系の研究者のような、これまで交流のなかった方々に結構出会いました。当時から始めた交流が、今やっていることにものすごく繋がっているんですよ。

 こうやって人間関係を変えてみたら、新しいことも始めるようになりましたね。逆に言えば、人間関係が古いと新しいことができなかったかもしれません。これは僕はメディアをやっているから特別なのではなく、一般の方でも同じことが言えると思いますね。

〈明日の質問は…… Q16.「髪型や服装にこだわりはありますか?」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26