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宇野常寛「彼らのことはスタッフというより仲間だと思っています」

宇野常寛さん3月毎日更新 Q13. 「会社を運営する上で大切にしていることはありますか?」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

大切なことは「会社っぽくしないこと」

 

 僕は1978年生まれですが、1970年代生まれって起業家コンプレックスが強い人が多いと思うんですよね。いわゆるヒルズ族と同世代だったりしますし、自分も企業経営をして一発当てたいみたいな。でも、僕はそういう憧れが全然ないんですよ。

 そもそも、起業も会社も、一つの手段じゃないですか。僕は、自分がやりたいことやるための手段としか思ってないんです。ということで、会社を経営する上で大切なことって、変な言い方ですけど「会社っぽくしないこと」ですかね。

 会社の運営にスタッフは欠かせませんが、彼らには、まずスキルを徹底的に伝えます。企画力や文章力、コピーライティングや画素材の選び方などを一通り。あとは、どういう背景でこういった企画にしたのかという説明もちゃんと伝えていますね。

 

 ウチのスタッフは、スタッフというよりも仲間だと思っていますね。というのも、僕が実現したいこととかを面白がって、一緒にやりたいという気持ちを強く持ってくれているわけですから。それくらい思ってくれていないと、ウチみたいな小さな個人事務所に来て仕事はできなんじゃないかな? だって、僕が明日交通事故で死んだら潰れてしまう会社ですからね。どれだけ本が売れて、どんだけウェブコンテンツが注目を浴びようとも、僕がいなくなったらその瞬間になくなる会社。だからこそ、「僕のチームに加われば、他の既存のメディアではできないようなことができる」と信じてくれているような子たちが集まってきてくれてると思うんですよね。

 むしろ、そういう動機がないと、この仕事は長く続かないかもしれません。この仕事って、意外に地味なんですよね。外側から見られるよりも100倍地味な世界(笑)。取材といったって、大抵の場合はこうやって机を囲んで喋っているだけ。基本的に机にかじりついてパソコンを打っているだけですし、必然性がなければ基本的に外の人と接しない。それでもやってくれるというのは、僕らが作るものに対して面白いと思ってもらえる人じゃないとやっぱり続かないですよね。FacebookやTwitterでドヤりたい人には向いてないですよ。そもそもこういう仕事は。

〈明日の質問は…… Q14.「宇野さんのように人脈を広げる方法は?」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。

そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26