「不良をつくるムダ」の真因を調べよ!

 では、こうした「不良をつくるムダ」をトヨタ式はどうやって解決するかというと、最終検査で見つかった不良品を手直しすることで良品にするのではなく、「なぜ不良品ができてしまったのか」という真因(表面的な原因ではなく本当の原因のことを「真因」と言います)を調べて、2度と同じような不良品ができないように改善をするというのがトヨタ式の解決方法になります。

 トヨタ式を取り入れている住宅メーカーA社のケースです。A社では営業マンがお客さまから「こんな家に住みたい」という要望を聞いたうえで設計に反映し、建設に取りかかりますが、いざ設計図ができ上がってみると、お客さまから「こうじゃないんだよなあ」「なんかイメージが違うなあ」というやり直しの声がいつも上がり、何度も設計をやり直したうえでようやく着工にこぎ着けることがしばしばでした。

 こうしたやり直しのムダを何とかできないかと考えたA社がいろいろ原因を調べたところ①設計前のヒアリングが不十分でお客さまの要望がうまく設計部門に伝わらない②設計部門のつくる図面が専門的過ぎでお客さまが十分に理解できない③建設部門が着工を急がせるためヒアリングや設計に時間をかけられない―などたくさんの原因が浮かび上がってきました。

 こうした状況を放置したままだと何度もやり直すことになるし、最終的には家を買うときに最高潮だったお客さまの「家が持てる」という喜びは建設が進むにつれて低下し、家を手にした時には「何か違う」となりかねません。そこでA社はやり直しにつながる原因を一つ一つ改善、お客さまの要望をしっかりと聞き、きちんと設計に反映できるようになったことでやり直しは格段に減り、お客さまの満足度も大きく改善することができました。

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