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「やり直し!」と言われないための仕事術

ミスの起きにくい仕事のやり方 トヨタ式で早く帰る③

徹夜までして、練りに練って作ったプレゼン資料。上司の「フォーマットが違うんだよね…やり直し!」と内容以前のダメ出しを喰らって涙した読者も多いだろう。どうすればこのムダな時間を減らせるのか? 『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』(文響社)を上梓した桑原晃弥氏に解決策をお答えいただいた。

「あれ、この資料フォーマットが違ってるよ…」

 

 日々、仕事をしている中でこんな経験をしたことはないでしょうか。

 上司の指示を受けて、しっかりと時間をかけて完成させたにもかかわらず、「あれ、この資料フォーマットが違っているよ。もう一回つくり直してから見せてくれる」の一言で、それまでの苦労が水の泡になり、もう一度時間をかけて「やり直す」はめになるという経験は誰しも一度や二度はしているのではないでしょうか。

 一体、やり直しの原因はどこにあるのでしょうか?

 一つは上司(あるいはお客さま)に確固たる考えがなく、提出したものに対して「こうじゃないんだよなあ、もう一回やってみて」と言われるものの、「こうして欲しい」という明確な指示がないケースです。丸投げ型の上司によくあります。

 そしてもう一つは上司(あるいはお客さま)にはフォーマットを含めて確固たる考えがあるにもかかわらず、コミュニケーションの不足や伝え方の問題からその意図が伝わらず、部下が上司の意に反するものをつくってしまうケースです。

 このようにやり直しの原因はさまざまであり、より良いものをつくるうえで、時に仕事のやり直しは仕方のないものですが、時間をかけてやった仕事をやり直すということは、そこにかけた人や時間、コストのムダであり、できるなら最小限に抑えたいものです。

 トヨタ式の生産現場に「7つのムダ」と呼ばれるものがあります。つくりすぎのムダ、手待ちのムダ、運搬のムダ、加工そのもののムダ、在庫のムダ、動作のムダ、不良をつくるムダの7つですが、私たちの仕事における「やり直し」は、不良品をつくってしまい、その不良品を手直しするという意味で「不良をつくるムダ」と言えます。

 
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桑原 晃弥

くわばら てるや

1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ生産方式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)などの制作を主導した。著書に『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『ウォーレン・バフェット成功の名語録』(PHPビジネス新書)、『伝説の7大投資家』(角川新書)、『トヨタのPDCA+F』(大和出版)など。バフェット関連書籍多数。


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  • 桑原 晃弥
  • 2017.12.22