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「相手の面前で弱気を出してはいけない」加藤一二三氏の“強気”を支えた聖書の言葉

加藤一二三さん9月毎日更新 Q1. 勝負の上で大切にしている、座右の銘はありますか?

6月に現役を引退した、将棋界のレジェンド・加藤一二三九段。77歳まで戦い抜いた氏が、常に胸に持っていた言葉とは?

「勇気を持って戦え」「相手の面前で弱気を出してはいけない」「あわてないで落ち着いて戦え」という3つの言葉

 座右の銘は「勇気を持って戦え」「相手の面前で弱気を出してはいけない」「あわてないで落ち着いて戦え」という3つの言葉ですね。

 これらは旧約聖書の言葉です。この言葉ができた背景には、イスラエル民族が周りの民族と闘う時の心構えとしての教えらしいのですが、私も将棋の勝負の際には意識して心がけていました。

 この言葉を知ったのは42歳、名人を決める決戦直前でしたね。

 例えば「勇気を持って戦う」、これはその言葉どおりです。なかでも「相手の面前で弱気を出してはいけない」という言葉、これがとても大切なんです。といいますのも、対局の際にこちらが弱気ですと、相手の指した手がすべて「相当な確信を持って指している」と思いこんでしまうんです。

 
次のページ一度弱気になるとはまり込んでしまう

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