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大八車の通行規制? 銀座の歩行者天国で見つけたレア標識がシブすぎる

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第4回:君は「単独大八車」を見たか

◆トラックOKでバスNGはレアケース

 バスだけを規制する標識(通称「単独バス」)も、一覧表には掲載されているが、これはかなり珍しい。トラックは通行してもよいが、より公共性の高い乗り物であるバスはダメというケースは、あまり考えにくいからだ。

写真を拡大 「大型乗用車等通行止め」(通称:単独バス)

  山間部などでは、バスが住民の唯一の足となっているところも多く、ぎりぎりの幅しかない「酷道」を路線バスが懸命に走っている姿を見かける。狭い空間ですれ違ったり、転回したりという運転手の神業的テクニックを、わざわざ見に行くマニアさえいるほどだ。とこうした事情から、かなりの狭隘路でもバスの通行は許可されているケースが多い。

 というわけで筆者もまだ「単独バス」の現物を見たことはないが、ウィキペディアに写真があるのを発見した。東京都道204号こと、日原(にっぱら)街道の入り口に設置されたものだ。補助標識には「路線バス除く 日曜・休日」とあり、観光バスなどの乗り入れを禁止する意図のようだ。

 ここは東京都内とはいえ、奥多摩のずいぶんへんぴな場所であり、日原街道も幅が狭く走りづらい道だ。ただしここは石灰岩が採れるため、ダンプの通行が多い。また鍾乳洞があるため観光客も訪れるので、勝手にバスが入り込まぬようこうした規制が敷かれているらしい。

 その他では、京都市中心部にも何枚か「単独バス」が存在するらしい。こちらは寺社などが多いエリアへの観光バス乗り入れを規制しているようだ。道路標識は、その土地ごとの事情を物語る存在でもある。

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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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