消費マインドの冷え込む中、いかにモノを売るか? ジャパネットたかた創業者、髙田明氏に聞く |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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消費マインドの冷え込む中、いかにモノを売るか? ジャパネットたかた創業者、髙田明氏に聞く

髙田明さん7月毎日更新 Q30. モノを売るために大事なことは?

髙田さんに聞く、30問30答。最終回です。モノを売るために大事なこととは何か?

――モノを売るために大事なことは?

 自分たちが本当に良いと思うモノを選ぶことはとても大事です。メーカーさんからご提案いただいたものを、良いものかどうか、お客様の生活をより良くするものかどうか、きちんと私たちなりの視点で検討させてもらいます。
 

 今の時代、モノを売るというのはとても大変なことだと思います。景気は上向きだと言われることもありますが、一方で消費マインドは冷え込んでいると思います。それだけ魅力的な商品、モノでなければ売れないんです。特に、家電はほとんどの家庭ですでに持っていますから。 

 そんな時代にモノを売るには、モノの良さをしっかり伝えることが重要です。レイコップ(布団除菌クリーナー)の話が前回出ました。

 性能や使い方を伝えることはもちろん重要ですが、なぜこの商品を使っていただきたいのか、それをしっかりお伝えできたことで、多くのお客様に買っていただくことができたのだと思います。レイコップでわたしが伝えたかったのは、時代背景が随分変わってきたということです。

 

 昔は、みんな布団を外に干していました。でも、今はPM2.5や花粉、大気汚染なんていう問題もあって、干したくてもなかなか外に干せない。布団を干す時の上げ下ろしには体力も必要ですしね。布団を清潔に保てなければ、快適な睡眠、ひいては健康は維持できません。

 レイコップには、今に生きる私たちの生活を良くする、果たす役割があると思った。それを伝えたかったのです。結果的に、それはものすごくうまくいったと思います。

 レイコップは、発売当初はまったく売れませんでした。でも、前回お話しした通り、コンセプトを見直し、布団クリーナーに特化してご紹介した。そこにはもともと「アレルギー疾患に悩む患者をひとりでも減らしたい」というメーカーの想いもありました。わたしたちはそのメーカーの想いや商品の価値をいかにして伝えるかをとことん考え抜きました。それがお客様に伝わったからこそ、ヒットしたんだと思いますね。

髙田明さん連載は本日で終了です。1カ月間、ご愛読ありがとうございました!

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髙田 明

たかた あきら

1948年長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造メーカーへ就職し通訳として海外駐在を経験。

74年に父親が経営するカメラ店へ入社。86年に「㈱たかた」として分離独立。

99年に現社名へ変更。90年にラジオでショッピングを行ったのを機に全国へネットワークを広げ、

その後テレビ 、チラシ・カタログなどの紙媒体、インターネットや携帯サイトなどでの通販事業を展開。

2012年には、新たな拠点として東京にオフィスとテレビスタジオを開設する。

2015年1月に「㈱ジャパネットたかた」の代表を退任し、同時に「㈱ A and Live」を設立。

2017年4月、サッカーJ2クラブチーム「㈱V・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任。

「㈱A and Live」社名の由来:今を生き生きと生きる世の中にしたいという想いから


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