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五郎丸 IS BACK。“新ルーティン”にみえた31歳の決意

あの日本ラグビー界のスターが日本に帰ってきた。

タフだった海外挑戦

 五郎丸が言うように、1年半の海外生活は、思うように活躍できたわけではなかった。レッズではチームの15試合中出場は8試合。うち先発は3試合のみ。短い出場時間で11度のゴールキックを決め、30点を記録したが、次に向かったトゥーロンではさらに厳しく、チームの26試合中出場は5試合。ゴールキックを蹴る機会はなく得点もゼロに終わった。

「やっぱり、試合に出ないとパフォーマンスが落ちてくる。試合に出られないときは、その分ハードにトレーニングすることを心掛けてやっていましたが、トゥーロンはトップ選手ばかりでしたから」

 試合に出ないノンメンバーがゲーム勘を失わないよう、ヘッドコーチがハードなメニューを課すようなカルチャーはなく、自己管理は選手に任されていた。言い換えると、構想を外れた選手がレギュラーの座を奪い取るためにアピールするチャンスは多くなかった。しかもレッズもトゥーロンも、シーズン中に何度も監督が交代した。

 言葉の違う国からチャレンジした五郎丸にとって、コミュニケーションがとれるようになった矢先に監督が替わるのは難しい環境だっただろう。

 今後、また海外へ行く可能性について問われると「もういいでしょう。そんなトシでもないし」と笑った。

 だが五郎丸は「(挑戦したことに)悔いはないです」と言った。

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大友 信彦

おおとも のぶひこ

1962年5月7日、宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高から早大を経て1985年からスポーツライター。『東京中日スポーツ』『Number』『ラグビーマガジン』『WEBマガジン RUGBY JAPAN 365』などに執筆。著書に『奇跡のラグビーマン村田亙』(双葉社、2005年)、『オールブラックスが強い理由』(東邦出版、2011年)、『エディー・ジョーンズの監督学』(同、2012年)、『不動の魂』(実業之日本社、2014年)など。


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