【新生ラグビー日本代表に立ちふさがる難敵。<br />「サッカーの国」アルゼンチンの独自戦略とは?】 | BEST TiMESコラム

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新生ラグビー日本代表に立ちふさがる難敵。
「サッカーの国」アルゼンチンの独自戦略とは?

11月5日JJジャパンの初戦はもうすぐ。観戦前に知っておきたいライバルの秘密

11月5日、ラグビー日本代表の新たなる戦いが始まる。新HCジェイミー・ジョセフを迎えての初戦の相手はアルゼンチン。一般には「サッカーの国」の印象が強いが、過去W杯で2度の4強入りを果たした強豪だ。イギリス文化圏に属さない第三勢力として独自の存在感を放つ。その強さの秘密とは――。

W杯では過去4大会でベスト8以上、うち2度のベスト4

ロゴに描かれているのは「ジャガー」だが愛称は「プーマ」

ラグビーのアルゼンチン代表が来日する。

「ロス・プーマス」ことアルゼンチン代表は最新の世界ランキングでは9位(日本は12位)だが、昨年のワールドカップ(W杯)では07年に続き2度目の4強入りを果たしている。過去5大会中4度8強入りしている世界屈指の強国だ。

 アルゼンチンといえば、多くの人がサッカーを思い浮かべるだろう。ディエゴ・マラドーナ、ガブリエル・バティストゥータ、リオネル・メッシ……サッカーで世界を酔わせた英雄をあげれば枚挙にいとまがない。しかしアルゼンチンはラグビーの歴史も古い。ラグビー発祥国の英国がそうであるように、サッカーは労働者階級を中心に、ラグビーは中産階級を中心に普及・発展した。筆者のアルゼンチン取材経験でも、タクシーで英語を喋る運転手に当たった場合、かなり高い確率でラグビー経験者だったことを思い出す。イングランドやオーストラリア、南アフリカなどでもそうだが、ラグビークラブはアルゼンチンでも町の高級住宅地にある。

 アルゼンチンラグビーは1970~1980年代にかけ、南アフリカやオーストラリア、イングランドなどの強国相手に勝った歴史を持つ。ただ、1987年にW杯が始まってからは低迷。1995年までの成績は1勝8敗、3大会連続1次リーグ敗退と、日本と同じ成績だった。

 しかし、1999年大会で8強入り(1次リーグでは日本と同組で勝った)以後は強豪の座に定着し、2007年大会では3位に躍進した。過去8回行われたラグビーW杯の歴代優勝国はニュージーランド、オーストラリア、南アフリカとイングランドの4カ国のみで、他に準優勝経験国がフランス。アルゼンチンはその次にくる数少ない4強経験国だ(アルゼンチンとウェールズが2度ずつ、スコットランドが1度)。

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大友 信彦

おおとも のぶひこ

1962年5月7日、宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高から早大を経て1985年からスポーツライター。『東京中日スポーツ』『Number』『ラグビーマガジン』『WEBマガジン RUGBY JAPAN 365』などに執筆。著書に『奇跡のラグビーマン村田亙』(双葉社、2005年)、『オールブラックスが強い理由』(東邦出版、2011年)、『エディー・ジョーンズの監督学』(同、2012年)、『不動の魂』(実業之日本社、2014年)など。


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