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ゼロから「何か」を生み出させる絵本の読み方

受験もその先も。一生使える力になる、「究極の育て方」⑨

オリジナル・ストーリー『山城けんぞう』

 更にわが家では「続き」どころではなく、全く新しい「新作」をつくることもよくありました。

 一番人気があったのは『山城けんぞう』物語。提案者は主人。「山城けんぞう」という探偵のハードボイルドなお話です。ハードボイルドなのにへぼ探偵で失敗ばかりしているという設定でした。
 これを読んでくださっている方は「誰?」と頭にはてなマークが浮かんでいると思います。この「山城けんぞう」というキャラクター誕生には、ちょっとしたエピソードがあります。

 小成(  こなり)という私たちの苗字は、なかなかちゃんと読んでもらえません。外食などで順番待ちをするときに名前を記入すると、必ず「小城(こしろ)さん」とか「小成(おなり)さん」と呼ばれてしまいます。それが面倒なので、そういった場で名前を書くときには「小成」と書かず「山城(やましろ)」と書くことにしているのです。「山城」という苗字はそれほど多くはありませんし、読み間違えられることもありません。呼ばれれば私たちだとわかります。

 そして主人の名前を少し変えて「けんぞう」に。そう、自分の名前をパロディにしてつくった物語なのです。これは子どもたちに大好評でした。

 主人が「山城けんぞう」をやってくれるとなると、「お父さんが昨日の続きを話してくれる!」と言って喜んでベッドに入りました。目をつぶって聞いていると、自分の頭の中に映像が広がっていくようです。「こんな登場人物が出てきたら面白いんじゃない?」と子どもたちからアイデアも出るようになりました。そして主人が疲れて眠いときなどは「今日はおまえがやれ」と言って、子どもたちが話の続きするようになりました。

 これは「よく飽きないな~」と思うぐらい続きました。確か中学生の頃までしていたと思います。自分たち家族しか知らない特別なキャラクターを持つこともちょっと秘密を共有するようで、親子の絆が強まったと思います。

『究極の育て方』より構成

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小成 富貴子

こなり ふきこ

上智大学卒業。在学時スペインに1年間留学。クリニック経営やスペイン文化発信など複数の仕事を掛け持つ「働く母」。長男をイェール+東大という日米の最難関大学、次男を難関国立大学医学部に送り込む。他長男は、高校2年生時に世界ディベート大会に出場、高校3年生時に参加した模擬国連世界大会で日本人初の優秀賞を受賞するなど国際大会でも活躍。その2人の息子を育てた独特の教育法は「AERA」「バイキング」でも紹介され話題に。「どこに出しても恥ずかしくない子どもを育てる」「わが子を真の国際人に」という信念のもと、教育の専門家ではない著者がオリジナルな視点で考え、子育てに実践してきた。


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  • 2017.03.18