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消える仕事ではなく「今ない仕事」があなたを幸せにする

人間の社会性と創造性を全開させるのは、科学技術がさらに花開くこれから

■ 人間の社会性と創造性を全開させるのはこれから

 しかし、そういう類の人間だけが生きているわけではない。「人間は動物園に収容されている動物とは違う。最低限の衣食住が保証されていれば満足して生きていけるわけではない」と考える人間は、どうするのか。

 「人間は生きている限り学び知り、何かを生み出し、そうすることによって誰かと結びつき繋がり、それによって社会の中で生きる自分を感じつつ、社会への責任を感じつつ、さらに一層に学んでいく存在だ。本質的に社会的で創造的な存在だ。社会的で創造的であるならば、喜びと充実を感じる存在だ」と考える人間は、どうするのか。

 そういうタイプの人間は、「今はない仕事」で自分がしてみたい仕事や、「今はない仕事」で自分が必要としている仕事を考えてみよう。想像してみよう。

 18世紀からずっと「人間至上主義」(西洋近代啓蒙思想)の時代が続いてきたが、人類は、自分の力を全開させるという意味での人間至上主義は、ほとんど実践してきていない。一般通念を真実と思い込み、学校の教科書に記述されていることだけが事実と思い込み、報道されていることだけが起きていることだと思い込むという視野狭窄と依存性から抜けていない。人間存在の可能性を狭く狭く小さく小さく限定して生きている。

 2020年になってでさえ、毒親の呪縛から抜けることができず、愚かで無能な親にないものねだりをしている子どもたちがいる。権威主義を蹴飛ばせない人々がいる。自分の外部に依拠して翻弄される人々がいる。

 消える仕事は消えていい。自分という資源の豊かさを信じて、今はない仕事を創造しよう。科学技術の発展をいたずらに怠惰に恐れずに、人間の社会性と創造性を全開させるために活用しよう。科学技術の更なる発展は、社会的身体的にハンディキャップのある人々の活動範囲を脅威的に広げるだろう。

 この社会にはびこってきた「人間牧場」生産思想としての人間至上主義(人間をペットに引きずり落とす思想)ではなく、人間の創造性を限りなく発揮するという意味での本来の人間至上主義を生きよう。

 

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。

 

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