廃線跡をイメージさせる「ぽっぽ通り」

 踏切のすぐ先から、廃線跡を利用した「ぽっぽ通り」が始まった。歩行者と自転車のレーンが別々になっている。新緑なので木々の緑が美しく、さすが栃木県でトチノキも植えられている。栃木県という名称は当初県庁が置かれた栃木の町に由来するが、当初はこの木そのものの「橡木」という表記だった。

東野鉄道の廃線跡を遊歩道化した「ぽっぽ通り」は西那須野駅付近から大田原まで続いている。

  東北本線を跨ぐ道路をくぐるが、こちらの天井はだいぶ低いので、東野鉄道の廃止後にできたのだろう。ここを汽車が走っていたことをイメージして地下道内の壁には汽車の絵が描かれている。各地に見られる「落書き防止用」を兼ねたような壁画であるが、こういう絵に必ずきっぱりと7色の虹が描かれているのはなぜだろうか。それより抜けた先の満開のツツジは見事だった。藤棚の白い藤も木陰を作っており、改めて廃止からの年数を感じさせる。

 ほどなく郊外に出て田んぼの傍らの道となった。田植えを目前にしてどの田も水を張っている。列車が走っていた頃はその姿を水面に映していたのだろう。廃止3年前の昭和40年(1965)の時刻表で確かめたら1日15本の黒羽方面行き列車(1本は大田原止まり)があった。片道ほぼ60~90分おきの発車で、本数は意外に多い。

田植え直前の田んぼの中をゆく廃線跡。
廃線跡をイメージして蒸気機関車を模した遊具も置かれていた。
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