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「なんであんなふうに……」仁志敏久氏が引退後に感じる後悔

「三つめ」の視点で自分を眺めよう

独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。U-12野球日本代表の監督を務める仁志敏久氏のキャリアから学んだ「子どもを育てる」うえで欠かせない視点(全三回・第二回)。【前回まで

Q4.現役時代には分からなかったけれど、今になって分かることとは?

――木内さんは感覚的にチームマネジメントができた。それに大きな影響を受けた、と仁志さんはおっしゃいます。論理的に物事をとらえようとする仁志さんとは逆のタイプに見えます。

仁志 いや、似ているところもありますよ。むしろそれが感覚的なところだったりします。引退すると考える時間ができるので、現役時代にやっていたことを論理的に「なんでそうしたのか」という検証を自分でするんですけど、自分もすべてにおいて感覚的にやっていたんだなあ、と思いますね。

――例えば?

仁志 上手く出来たことっていうのは自分でもだいたい理由がわかっているんですけど、失敗したことですよね。どうやったら上手くいったのか、未だに考えたりします。あの時の自分はどのように行動すべきだったのか、なんであんなことやったのか、なんで監督にあんなこと言ったのか……とかですかね。そのときはそのときの自分なりに理由はあったんですけど、今思えば、という。

 

――そういったことから学んだことはありますか。

仁志 何かを伝えるのでも、きちんと計算してすればよかったな、と。やっぱり人はつねにスマートでいた方がいいいと思うんですよ。いい意味で計算をして順序立てて。話すのであれば、しっかり起承転結を付けることを意識する。そうすれば後悔もないし、人を傷けることもない。話しをしているとつい感情的になってしまったり、解説の仕事でも自分の考えばかりを強く言いすぎてしまったりする。そんなときに相手がどう受け取るかって考えるというのは大事だと思います。

――それは野球界や仁志さんのお話しに限らないと思います。

仁志 そうですね。最近、戦略的NLP(心理療法、思考や行動をコントロールすると言われる)というものを勉強して覚えたことがあります。「ポジション・チェンジ」というんですが、三つの椅子があって、第一の椅子が今の自分の視点、第二の椅子がその正面にあり、それは「(第一の椅子にいる)今の自分」を客観的に座って考えている、そしてもう一つは対面している二つの椅子にいる「今の自分」と「自分を見ている自分」がいる椅子。第三のポジションと言って、その視点に立てば、例えば「あわてている自分(いまの自分)」と「自分を見て冷静に答えを出している自分(第二の椅子)」の二つを見て総合的に考えることで合理的な考えができる、というものです。なるほどこうすればいいのか、と思いました。

――なるほど。第二の椅子、くらいまではやろうとしている人もいると思いますが、そのふたつをさらに俯瞰してみる。

仁志 はい。例えば仲の悪いふたりがいたとして、僕らが片方だけの意見を聞いてると片方がいい人でもう片方が悪い人になってしまいますが、もう一人にきくとそれが逆になってしまう。両方の話を聞いた人はそれを総合すれば、何が正しくて何が間違っているかがよくわかる。そういう視点ですよね。

――検証するチャンスになるわけですね。

仁志 はい。でもそうすると結構、反省する点がでてきて気持ちが病んでしまいそうになるときもあります(笑)。

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仁志 敏久

にし としひさ


 



1971年生まれ。茨城県出身。右投右打。常総学院高校、早稲田大学、日本生命を経て1995年にドラフト2位で読売ジャイアンツに入団。強打、好守の内野手として活躍。2007年に横浜ベイスターズに移籍し2010年にはアメリカ・独立リーグでプレー。同年引退。NPB通算、1591安打、打率.268、154本塁打。1996年新人王、ゴールデングラブ賞4回。2013年に侍ジャパンコーチ就任。2014年より侍ジャパンU‐12監督となり、2016年には第9回BFA U‐12アジア選手権を優勝。著書に「個の力がUPする 野手実戦メソッド」「プロ野球のセオリー」(鳥越規央との共著)


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