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「明日の社会より今日の射精」『裏モノ JAPAN』から読み解く買春男性

見えない買春の現場 「JKビジネス」のリアル 第3回

「なぜ彼女たちは裸になったのか」など、性を売る側の女性にばかりが注目されがちな売買春の現場だが、もう一方の当事者である男性側に目を向けることによって、見えてくるものはあるのか!?「見えない買春の現場 『JKビジネス』のリアル」を本日2月9日に刊行。「性の公共」をつくるという理念の下に、現代の性問題の解決に取り組んでいる坂爪真吾氏に語っていただいた。

 

■「ナチュラルメイクで黒髪の女の子」『裏モノ JAPAN』の素人至上志向

 買春男性を論じる上で外せない媒体として、月刊誌『裏モノJAPAN』の編集に携わっていた鈴木俊之さんに、これまで取材や編集の過程で接してきた買う男たちの実像について話を伺った。

『裏モノJAPAN』では、「体験ベースの欲望追究エンタテインメントマガジン」を標榜し、テレクラや出会い系サイトの実践ルポ、業界の裏側ネタや裏ビジネスなど、社会のアンダーグラウンドな領域に関する記事が多数掲載されている。

 同じように社会の裏情報を取り扱う『実話ナックルズ』には社会性やジャーナリズムの匂いがまだ残っているが、『裏モノ』に関しては社会性が一切欠如している、と鈴木さんは言う。例えるならば、「○○の闇を暴く」ではなく、「○○が経営している未成年・本番ありの店があるみたいだから、行ってみよう!」というスタンスだ。読者もいわゆる社会問題にはさほど興味関心が無く、自己の快楽や射精にとりわけ興味を置く。他の雑誌は読まず、『裏モノ』しか買っていない人も少なくないという。

『裏モノ』の誌面で女性の容姿を描写する時には、お決まりの記号、及びそれに基づくレイヤー(階層)があるという。

鈴木「ナチュラルメイクの黒髪でHKT48の宮脇咲良みたいな容姿の女の子が至高である、という価値観の設定があります。もちろん、そうした価値観が世の中の買う男たちの最大公約数になっているとは思えないのですが、『裏モノ』の中ではそうした設定がレイヤーの中で最高値にある。

 例えば、有名私立女子大で教員になるために勉強している三年生の黒髪の女の子がたまたま歌舞伎町を歩いていたら、『飲み物が無料だから時間つぶしに来てみて』という店員の誘い文句に釣られて出会いカフェに初めて入ってきた、というケース。これが一番評価される。素人性が高いからです。女友達から『ラクして儲かるから出会いカフェ一緒に行こうよ』と言われてやってきた、という『スレてるコ』はダメです。

 もちろん、こういったことはあくまで文章上の表現に過ぎません。未成年を買う男性も、一見『女子高生』や『素人』といった記号的なものを消費しているように思えて、実際は違う動機でやっている可能性もあります」

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坂爪 真吾

さかつめ しんご

1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。



新しい「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗店の待機部屋での無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞。著書に『セックスと障害者』(イースト新書)、『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、『はじめての不倫学』(光文社新書)などがある。


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  • 2017.02.09