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センター試験は本当に廃止すべきなのか?

『2020年からの教師問題』(ベスト新書)の著者・石川一郎先生にインタビュー!

◆センター試験が廃止になる本当の理由

 では、どうしてセンター試験は廃止となるのか。実はそもそもセンター試験の廃止は、教育関係者から出た提案ではなく、政財界からの要求だったのです。「センター試験のようなマルバツ式問題で人生を決めるのはけしからん」という決めつけから始まっているのです。一つ、はっきりとした悪者があった方が分かりやすいですからね。その実、センター試験の中身についてはあまり検証されていないので、偏見でしかありませんが。
 「今の若者は言われたことはやるけど、言われないと何もやらない。創造的な考え方ができないようでは、グローバル社会では太刀打ちできないから、そういう力を問うべきだ」という政財界の言い分は分かります。しかし、そのためにセンター試験をなくす必要性は一切感じません。

 だから、良識ある先生たちの中にはセンター試験の廃止に疑問を持っている人も多いんです。また、そういう先生たちは同時に、国立大学の受験をさせることに積極的である傾向があります。というのも、国立の良いところは、センター試験の比重があまり大きくなく、かつ二次試験が詰め込み式でついた知識だけでは通用しないところ。国立大学のように二次試験の問題をある程度難しく設定することで、政財界の要求はクリアできる可能性が高いのです。
 教育界において、センター試験廃止にメリットを感じているのは、私立大学の関係者が多いのではないでしょうか。私大はセンター試験の比重が大きかったり、センター試験の結果だけで合格者が決まる入試も行っていますからね。B問題、C問題を新テストで出してくれるのであれば、受験生の数が多いマンモス私大は特に、合格者の選別をしやすくなるのではないでしょうか。

 しかし、センター試験が悪問であるというエビデンスがない以上、やはり廃止にすべきではない。そもそも現実的な話、三位一体の教育改革だ、新テスト導入だなどとしきりに議論されていますが、私はそんなにいきなりは変わらないと思うんです。今、文科省が取り掛かっている教育改革で大きなテーマとなっているのは、数十年後、AIが実用化されるような時代にはどういう能力が必要となるのか、ということなんですが、「未来」に必要な人材と「今」必要な人材は、別でしょう。今必要な人材を確保するには未来のことばかり考えてもいられませんから、教育は実際にはゆるやかに変わっていくほかないと思います。にもかかわらず、センター試験だけとりあえず廃止してしまおうというのは、ちょっと浅はかすぎはしませんでしょうか。

KEYWORDS:

センター試験廃止は、前代未聞の教育改革の序章に過ぎない!
新しく生まれ変わる教育、果たして教師は適応可能か?

石川一郎・著 『2020年からの教師問題
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石川 一郎

いしかわ いちろう

「香里ヌヴェール学院」学院長、「アサンプション国際小・中・高等学校」教育監修顧問。「21世紀型教育機構」理事。1962年東京都出身、暁星学園 に小学校4年生から9年間学び、85年早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。暁星国際学園、ロサンゼルスインターナショナルスクールなどで教鞭を執る。前かえつ有明中・高等学校校長。「21世紀型教育」を研究、教師の研究組織「21世紀 型教育を創る会」を立ち上げ幹事を務めた。著書に『2020年の大学入試問題』(講談社現代新書)がある。


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