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センター試験は本当に廃止すべきなのか?

『2020年からの教師問題』(ベスト新書)の著者・石川一郎先生にインタビュー!

 今日から二日にわたって実施される、大学入試センター試験。1990年から30年近くもの間、大学受験の代名詞的存在として大きな役割を担ってきたこの試験だが、2020年に廃止されることが決まっている。では、なぜセンター試験は廃止されることになったのか? どこに問題があったのか? 『2020年からの教師問題』(ベスト新書)の著者、石川一郎先生にお話を聞いた。

 

◆センター試験は決して「悪問」じゃない

 まず、私の意見を先に言ってしまうと、センター試験は残してもいいものだと考えています。廃止になると聞くと、どうしても今のセンター試験が悪いように思われがちですが、各教科、教科書で習ったことをちゃんと把握しているかどうかをはかるものとしては、センター試験の問題というのは実はよく練られているのです。

 

 もちろん、以前から指摘されている通り、知識詰め込み型の学習方法に対応した問題であるという一面はあります。結果、従来の詰め込み式の学校教育から抜け出せなくなるので、センター試験は「悪問」なのだ、という意見もあるでしょう。
 しかしながら、問題を実際に解いたことのある人なら分かるでしょうが、センター試験は必ずしも、学校で習う知識を暗記していればクリアできるものではありません。むしろ、知識をある程度理解した上で、それを活用できているかどうか、そこを問うているのです。マーク式だからといって、サイコロをふっていれば当たるような、そんな生易しい問題ではありません。

 また、センター試験のように、50万人以上もの学力の異なる学生を対象に、平均点が毎年一定程度になるよう問題を作ることは、とても難しいことなんです。上から下までの学力差が大きい集団を対象にできるという点を見ても、センター試験は絶対に残した方がいい。

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KEYWORDS:

センター試験廃止は、前代未聞の教育改革の序章に過ぎない!
新しく生まれ変わる教育、果たして教師は適応可能か?

石川一郎・著 『2020年からの教師問題
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石川 一郎

いしかわ いちろう

「香里ヌヴェール学院」学院長、「アサンプション国際小・中・高等学校」教育監修顧問。「21世紀型教育機構」理事。1962年東京都出身、暁星学園 に小学校4年生から9年間学び、85年早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。暁星国際学園、ロサンゼルスインターナショナルスクールなどで教鞭を執る。前かえつ有明中・高等学校校長。「21世紀型教育」を研究、教師の研究組織「21世紀 型教育を創る会」を立ち上げ幹事を務めた。著書に『2020年の大学入試問題』(講談社現代新書)がある。


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  • 2017.01.07