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「大坂冬の陣、家康の拠りどころ②」

季節と時節でつづる戦国おりおり 第270回

 茶臼山からは天王寺公園の裏口を出入りできる様に変わり、一心寺はそのすぐ北。格段にアクセスが便利になりました(笑)。今年8月に東側の「存牟堂」がオープンとなり、大坂の陣歴史散策案内所として夏の陣の説明動画や陶板レリーフも楽しめる施設として訪問客を迎えています。

 実はこのお堂の名前の「存牟」は、一心寺中興の祖から来ています。本誉存牟上人といいますが、彼は三河国の出身。浄土宗をあつく信仰した家康の引きたてを受け、慶長5年(1600)関ヶ原合戦の直前には家康の8男・仙千代の急逝をうけてその墓所ともなっています。つまり、大坂における徳川シンパの拠点というわけ。

 慶長19年(1614)、大坂冬の陣で家康は茶臼山を本陣としますが、それは大坂城に対して見晴らしが良い場所というほかに、この一心寺が家康肝煎りの寺だったという特別有利な条件があったからなのでした。

 

 

※境内北端にある、「霧降の松」の古木。
夏の陣で家康が信繁(幸村)にここへ追い詰められた際、霧を吹いて助けてくれたという伝説があります。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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