【マイナ保険証】本格移行で混乱に突き進む医療現場! 利用率が低い問題を解決できるのか【谷龍哉】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【マイナ保険証】本格移行で混乱に突き進む医療現場! 利用率が低い問題を解決できるのか【谷龍哉】

 

◾️現在「マイナ保険証の利用率」は37.14%という異様な低さ

 

 マイナ保険証以外は完全に使えなくなるという話であれば、いやおうなしにみなさん使うようになると思いますが、制度としてはマイナ保険証を持っていなければ「資格確認書」で引き続き医療機関を受診できるため、「資格確認書」でいいやという方もいるんじゃないでしょうか。

 注意点として、「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」は別物です。「資格情報のお知らせ」はA4サイズの紙で、マイナ保険証をなんらかの理由で使えない時に、マイナ保険証と「資格情報のお知らせ」をセットで医療機関へ提示すると受診することが出来る書類になります。

 いっぽうで「資格確認書」はカード型、はがき型、A4型などの形式で、「資格確認書」だけで医療機関を受診することが出来ます。そして、「資格確認書」に関連して今後大きな問題が起きると私は考えています。

 まず、マイナ保険証の利用登録(健康保険証利用登録)をしている方には「資格確認書」が届きません。「資格確認書」はあくまでマイナ保険証を持っていない方が医療機関を受診出来なくならないようにするための対応なので、当然といえば当然ですが、この点がマイナ保険証の利用状況を考慮すると非常にやっかいなことになりそうなんですよね。

 「資格確認書」が届くのは、マイナンバーカードを取得していない方、マイナンバーカードを取得しているが、マイナ保険証の利用登録をしていない方(利用登録解除を申請した方・利用登録を解除した方)、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れた方と、20267月末までの暫定措置として後期高齢者医療制度にご加入の方と、新たに加入される方へ送付されます。また、申請することで「資格確認書」を交付してもらえるのは、マイナンバーカードでの受診などが困難で配慮が必要な方とマイナンバーカードを紛失・更新中の方になります。(注1

 何が問題かというと、まず現在の全人口に対するマイナンバーカード保有率が79.9%で、マイナ保険証の利用登録率が約70.2%(人口比)となっていて、約29.8%の方がマイナ保険証の利用登録をしていません。また、医療機関でのマイナ保険証利用件数から、マイナ保険証の利用率が37.14%と低いことがわかっており、本格移行に合わせてなんらかの対策をしないと現場が混乱すると予想されます。

 

<マイナンバーカードの保有者数>(注2)

R7.10月末:9,948万人、全人口の79.9%

 

<マイナ保険証の登録者数>

R7.10月末:8,730万人、カード保有者の87.8%、(全人口の約70.2%

 

<マイナ保険証の利用実績数>

R7.10月:10,199万件、37.14%

 

R7.1.1時点の住基人口:12,433万人

 

 マイナ保険証の利用率が低いことからも、「資格確認書」が届かないまま健康保険証が使えなくなり、混乱する方が大勢出てくるのではないでしょうか。マイナ保険証を使っている方や、「資格確認書」が届く方は受診方法が変わるわけではないので問題ないですが、「資格確認書」が届かない方たちは、暫定処置の期限である2026331日までに医療機関の窓口などでマイナ保険証を使うよう頻繁にお願いされると思います。

 

1)資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45470.html2)マイナ保険証の利用促進等について 令和7年1113https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001594829.pdf

次のページ「マイナ保険証の登録・使い方説明会」で医療機関の窓口は大混乱必至

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 納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。

 私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。

 (中略)

 そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。

 「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力?  首相のメディア・アピール能力?  国民の権利を保証するマトモな選挙?  国民の参政意識やそれを育む教育制度?

 課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。

 (中略)

 本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」

(「はじめに」より抜粋)

 

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER

How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.

<著者略歴>

高市早苗(たかいち・さなえ)

1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。

 

 

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谷龍哉

たに りゅうや

谷 龍哉(たに・りゅうや)

1983年生まれ。三重県伊勢市出身。ネット情報アナリストとして、インターネット上の社会事象や問題発生の経緯の情報収集、分析に従事。

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