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【世紀の大誤報】小泉進次郎候補の「党員抹消」文春報道の検証

小泉進次郎

 

 当サイト「BEST T!MES」に提供された論考は、自民党総裁選の投開票直前に報じられた週刊文春の、小泉進次郎陣営による「党員826人、謎の離党問題」という報道を「世紀の大誤報」と断じ、その欺瞞性を徹底的に検証・告発するものである。本稿では、その多岐にわたる批判の中から、報道の核心とされた「党員抹消」疑惑に関する検証部分にのみ焦点を当て、その論旨を再構成する。

 

■第一の検証:時間軸の歪曲による陰謀の捏造

 

 論考が最も重大な虚偽として弾劾するのは、週刊文春が「党員抹消」問題の時間軸を意図的に歪め、存在しない陰謀を創造したという点である。

 文春の記事は、一人の党員が「総裁選の投票用紙が届かない」と不安を口にする場面から始まり、読者に対して「総裁選の直前に、小泉陣営が対立候補の支持者を狙い撃ちにし、投票権を奪った」という強烈な印象を植え付ける構造になっている。投開票日という、有権者の注目が最高潮に達するタイミングでこの疑惑を投下することにより、反論や事実確認の時間を奪い、混乱を最大化する狙いがあったと論考は指摘する。

 しかし、この陰謀論は、小泉進次郎氏が2025年9月30日付で発表した公式声明によって根底から覆される。声明は、この問題が総裁選とは全く無関係な、過去の出来事であったという決定的な事実を突きつけている。具体的には、全ての事案は「本年6月に自民党神奈川県第9選挙区支部において、支部長の衆院選落選に関連して起こったもの」であると明記されているのだ。

 「6月」というこの一点こそが、全ての嘘を暴く鍵であると論考は強調する。総裁選の具体的な候補者の顔ぶれすら定かではなく、誰と誰が争うのかも不明な時期に、数ヶ月後の選挙結果を予見し、ピンポイントで特定の党員826人を組織的に投票から排除するなどという計画は、常識的に考えて不可能である。それはもはや政治工作ではなく、超能力の領域に属する。

 真実は、2024年10月の衆院選で当時の支部長であった中山展宏(なかやま・のりひろ)氏が落選し、その後の体制変更に伴って生じた、地方組織レベルの純粋な事務手続きの過誤に過ぎなかった。この「6月の事務処理」という過去の事実と、「9月の総裁選」という現在の事象の間には、何らの因果関係も存在しない。文春の最大の罪は、この無関係な二つの出来事を悪意をもって強引に結びつけ、数ヶ月前に地方で完結していた管理上の問題を、あたかも総裁選を妨害するために今まさに進行している巨大な陰謀であるかのように見せかけたことにある。

 これは単なる誤報ではなく、時間軸を意図的に操作し、存在しないスキャンダルを「創造」する、ジャーナリズムからの完全な逸脱行為であると、論考は厳しく断じている。

次のページ告発者の背景と情報源の客観性

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