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悔いのない人生を送るためには…「宅急便」創始者・小倉昌男が語る

【連載】「あの名言の裏側」 第6回 小倉昌男編(3/4)相手の身になって考えることの大切さ

悔いのない人生を送るためには、
どうしたらよいだろう。
それはいつも相手の身になって物事を考える、
ということに尽きると思う。
──小倉昌男

写真:AP/アフロ

 小倉昌男氏は、ヤマト運輸の社長に就任する前から、社内報『ヤマトニュース』にコラムを寄稿していました。この「とまり木」という長期連載コラムには、社員に向けた小倉氏のメッセージが丁寧に綴られていました。それらは後に『やればわかる やればできる』という一冊の本にまとめられ、社外の人々も触れることができるようになっています。
 同書に収録されている「悔いなき人生を送れ」というコラムに、次のような一節が記されています。

 

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 悔いのない人生を送るためには、どうしたらよいだろう。それはいつも相手の身になって物事を考える、ということに尽きると思う。
 仕事は、常にいろいろな人との関係の中で行われる。まずお客さま。それから仕入れ先。社内の人たち。だから仕事をうまくやるということは、お客さまに喜んでいただく、仕入れ先に喜んで協力してもらう、社内の人たちに気持ちよく協力してもらうことにほかならない。それには相手の立場に立って考えることが必要なのである。
 それと、人に後ろ指を指されること、天に恥じることを絶対にしないことが、根本的な問題である。
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 主に新入社員に向けてしたためられたこのコラムで、小倉氏は「(新人の皆さんは、お金持ちになりたい、社会的地位を得たい、趣味を楽しみたいなど)それぞれいろいろな夢を描いているが、それが達せられる人よりも、達せられない人のほうが多いだろうと思う」と、まず語りかけます。理想どおりの人生を送るなど、なかなかできることではない。むしろ、夢や希望はなかなか果たされないまま、それでも生きていかなければならない──そんな現実を突き付けるわけです。世知辛いようですが、紛うことなき事実でもあります。
 しかし、と小倉氏は続けます。

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1972年東京都生まれ。編集者・記者、ビジネス書ウォッチャー。大学在学中より若手サラリーマン向け週刊誌、情報誌などでライター業に従事。ビジネス誌やパソコン誌などの編集部を経て、現在はフリーランス。書籍の構成、ビジネスコミックのシナリオなども手がける。著書に『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』、『読書で賢く生きる。』(山本一郎氏、中川淳一郎氏と共著)、『COMIX 家族でできる 7つの習慣』(シナリオ担当。伊原直司名義)ほか。

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