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史上最大の冤罪事件、東京裁判について米国人弁護士が語る。「戦争犯罪国家として裁かれるのはアメリカだ」

米国人弁護士が「断罪」東京裁判という茶番 第1回

東京裁判を題材にしたNHKスペシャル「ドラマ 東京裁判~人は戦争を裁けるか~」が本日(12月12日)より4日夜連続で放送中。
その放送に合わせて、「米国人弁護士が『断罪』東京裁判という茶番」を12月16日に刊行予定、来日から40年日本を愛し、知り尽くしたケント・ギルバート氏が米国人の視点からみた東京裁判について論じていく。

 真珠湾攻撃よりも以前から、アメリカは、『歴史戦』を日本に仕掛けていた。日本に『侵略国家』のレッテルを、貼りつけるためだ。アメリカ側にのみ正義があり、日本は、「悪の枢軸国」の一翼を成す、『戦争犯罪国家』だと、謀略宣伝するためだった。

靖国神社にて 撮影・末松正義

 本当は、アメリカ政府こそが、自国民を騙して、戦争をはじめたのだ。もし、仮に、公平な国際軍事裁判が行われたならば、『戦争犯罪国』として裁かれるのは、アメリカだった。
 それなのに、日本人の認識も、世界の人々の認識も、まったく逆になっている。これが、『歴史戦』の真実だ。
史実を曲げて、歴史を捏造して、世界中にプロパガンダ謀略宣伝を流布して、「歴史修正」を実行したのは、アメリカ政府だった。
 なぜ、アメリカ人弁護士の私が、『歴史戦』の真相を、いま、問題にするのか。訝しげに思われる方もいるだろう。
 しかし、その理由は単純明快だ。私は嘘が大嫌いなのだ。弁護士なのでファクト、すなわち“事実”をもっとも重視しているからである。
 アメリカの国益のためにも、嘘をベースにした日米関係は、いい加減に改めるべき時期である。しかし、史実を無視した『歴史戦』は、いまもなお、現在進行形で戦われている。

◆『歴史戦』の最大の武器が、東京裁判という『プロパガンダ劇』

「極東国際軍事裁判」が、東京裁判の正式名称だ。いかにも、正当で正義の裁判を装っているが、現実は、まったくの茶番だった。「裁判」というのは名ばかりで、まったく一方的で、不当な「復讐劇」だった。それは、起訴状が手交された日からもわかる。その日は、昭和二十一年四月二十九日。つまり昭和天皇の天長節(天皇誕生日)だったのだ。
 判決文の朗読が始まったのが、『紀元節』、つまり、現在の建国記念日にあたり、いわゆる「A級戦犯」として、死刑判決を下された七名(実は松井石根陸軍大将は「A級戦犯」の起訴事実を認定されていない)が絞首刑に処せられたのが、当時の皇太子(つまり今上陛下)の誕生日にあたる、昭和二十三年十二月二十三日だった。もちろん、日本にとってお目出度い日に、忌まわしい死刑をわざと執行したのだ。怨念すら、感じてしまうほどのおぞましい復讐「裁判」劇場だった。
 しかし、アメリカは、どうしてもアメリカの戦争犯罪行為を糊塗したかった。日本こそが戦争犯罪国家であり、アメリカは正義の味方だと、世界に宣伝したかったのだ。まさにプロパガンダそのものである。

 このプロパガンダ「裁判」劇は、功を奏した。私自身、ほんの数年前まで、東京裁判に強い疑念の目を、向けたことはなかった。
 東京特派員倶楽部(現・日本外国特派員協会)の外国特派員たちは、『正義の裁き』を、冷静かつ真摯に検証することもなしに、世界に報じた。
 東京特派員倶楽部は、「マッカーサーに対抗するために結成された」と、言う人もいるが、それは、マッカーサーが各国の記者の「定員枠」を制限したことに対する、反発を示し、労働条件改善のための、団体交渉を行った組織であるという、程度の意味しかない。
 その結果、マッカーサーが「定員枠をはずす」上に、「正規の現役ジャーナリストなら、誰でも宿舎と食事を提供する」と、オファーしたところ、すぐ合意に達した。
  そうして、獲得したのが、三菱地所がリースした、五階建ての赤レンガビルだった。「ナンバーワン新聞ビル」と、呼ばれ、地下は厨房、一階がラウンジと食堂とバー、2,4,5階には、個室の食堂があった。それ以外は、寝室に改造して、シャワーと洋式トイレを新設した。これだけ、好条件を提供されると、占領軍の批判記事は書きづらくなる。

◆いまも日本を呪縛する東京裁判の呪い

 東京裁判こそが、史上最大の冤罪事件だった。戦争犯罪人として裁かれた人たちの名誉回復は、不十分なままだ。
 しかし読者の中には、七十年も前の東京裁判のことなど、もうどうでもいいではないかと、そう思われる方もいるだろう。
 だが、問題は、その東京裁判とWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)が、二十一世紀に生きる日本人を、いまだに呪縛していることだ。
 大半の日本人は、いまでも占領軍の戦時プロパガンダに呪縛されている。このため、その色眼鏡を通してしか、歴史や世界を見ることができない。
 二〇一六(平成二十八)年の八月十五日、安倍晋三首相は、靖国神社を参拝しなかった。国のために命を捧げた将兵を祀る靖国神社に、首相が参拝することができないという、実に異常な状況に日本は置かれている。
 中国や韓国の批判をかわすことや、連立与党の、公明党への配慮のためだろうが、まったく理不尽なことだ。
 首相が、靖国神社を参拝することが問題なのは、「A級戦犯が祀られている」から、だとも言われる。しかし、それもまた、ほんとうではない。プロパガンダである。
 昭和天皇は、いわゆるA級戦犯について、「米国よりみれば犯罪者ならんも、我が国にとりては功労者なり」と述べている。この先帝陛下のお言葉は、「A級戦犯」として、逮捕状が出された木戸内大臣について語られたものだと、『木戸幸一日記』に書かれている。

 実は、昭和二十年八月の終戦から、昭和五十年四月までの三十年弱の間に、歴代八人の首相が、計三十一回の靖国神社参拝を行っている。首相の靖国参拝は、恒例行事だったので、わざわざ、新聞の紙面を大きく割いて、報じるものではなかった。両陛下や、首相の靖国参拝を、朝日新聞ですら、好意的に報じていた。
 ところが、三木武夫首相が昭和五十年八月十五日の「終戦の日」に参拝したとき、朝日新聞は初めて「政教分離」に絡めて、批判的な報道を行った。これ以降、新聞等の批判的報道は徐々にエスカレートし、今では中国や、韓国が、外交カードに用いるようになった。
 首相や、閣僚の靖国神社参拝に、何か問題があるかのように、考えている人々の大半は、このような経緯を何も知らず、ネガティブキャンペーンに踊らされているだけである。このような経緯を知った上で、批判を続ける人々は、左翼的思想の確信犯だろう。

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ケント・ギルバート

1952年、アイダホ州に生まれる。1970年、ブリガムヤング大学に入学。翌1971年に初来日。その後、国際法律事務所に就職し、企業への法律コンサルタントとして再来日。弁護士業と並行してテレビに出演。2015年、公益財団法人アパ日本再興財団による『第8回「真の近現代史観」懸賞論文』の最優秀藤誠志賞を受賞。著書に『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』、『中華思想を妄信する中国人と韓国人の悲劇』(ともに講談社+α新書)、『リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』(PHP新書)、『日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人』(SB新書)、『米国人弁護士が「断罪」東京裁判という茶番』(小社刊)などがある。


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  • ケント・ギルバート
  • 2016.12.16