【独占取材】選挙費用8,458円で勝った!さとうさおり氏に聞く「奇跡の都議当選」内幕と今後のビジョン
■公認会計士の目で、東京都の予算のムダ探す
––都議会でも補助金の無駄遣いについて公開する予定はありますでしょうか。
さとう まだ常任委員会が決まっていないのでどこに配属になるかによりますけど、所属委員会の予算について深掘りはしようと考えています。ただ、予算特別委員会(予算の審査を目的とする委員会)や、各決算特別委員会(各会計及び公営企業会計を決算する委員会)には参加できません。
予算特別委員会の後に、財政委員会という常任委員会がありますが、そこにも一人会派の議員は入れてもらえないんです。
––それは所属議員が多い会派が持っていくからですか。
さとう はい。おっしゃる通りです。千代田区は一人区なので、委員会に出られないとなると、千代田区の声が聞かれないことになります。これは民主主義として問題だと思います。反対に千代田区の都議が知事与党の方だと知事が提案した予算全部に賛成しますよね。それは議会の大事な役割である監視機能が果たせないじゃないですか。
地方議会の二元代表制の役割ができていないということは、議会のルールが古すぎて対応できていないという証だと思うんです。でも、これは条例じゃなくて会派同士の話し合いで解決できる問題なんですよ。知事与党側の都民ファーストの会、自民党、公明党、国民民主党が野党側に譲ってくれれば済む。
だから諦めないで行動していくつもりです(※7月28日にさとう氏がXで「今まで一人会派が参加できなかった都議会の代表者会にオブザーバーで参加できることになった」とポストした)。
––予算決算委員会に参加できない問題についてどう対応するのでしょうか。
さとう まだ都議になっていない(※候補者の任期は2025年7月23日から。インタビュー時はまだ都議会議員の立場にはなっていなかった)ので、東京都のHPに都民の声を送れるところに要望として意見を提出しました。
実際にスタートしたら各会派に要望書を提出することができるので、それもやっていきます。
––もし財政委員会に入れなかったらどうするおつもりでしょうか。
さとう 一人財政委員会をやろうかなと思っています。国政の話なんですけど、財政委員会って専門知識が必要だから不人気らしいんです。お金に関することって難しいからやりたがる人がいないそうなんです。
都政ではそれだけ専門知識がある議員が委員になっているのか不思議なので自分で委員会の質疑を見て、皆さんに公開していくつもりです。
––都議選では「インボイス廃止」「インボイスが廃止されるまで個人事業税20%減税」を公約に掲げましたが、他の会派と連携してでも実現させるおつもりでしょうか。
さとう はい、もちろんそれは会派の枠を超えて連携させていただきたいなと思っています。
––減税を実現するためのロードマップをお聞かせいただけますでしょうか。
さとう まずは削減できる予算を公開し、情報開示していきます。「これは要らないのでは」という予算を具体的に示し、世論の熱量を高めていくつもりです。
例えば、東京都の予算の無駄遣いと言えばプロジェクションマッピングとか噴水だとかずっと言われていますよね。でも、他にも事業があるのにそれしか言われていないんです。もっともっと具体的に見ていったら何があるんだっていうのを資料で見ていって、他の事業でも削減できる予算があれば公開していきます。
それで世論の熱量の高まり、うねりを作っていって、減税という形で進めていく他ないなと考えています。
恐らく知事与党会派の一年生議員だったとしても同じやり方じゃないと難しいのかなと思いますね。
––減税以外に都議会で進めたい政策はありますか?
さとう 治安の部分ですね。千代田区も観光客の方が増えてきたのでゴミのポイ捨てが増えてきています。家を出ると外国人の方がすごく多い。不安に思う方もいるんですけど、外国人の方は日本のルールを知らないじゃないですか。
入ってくるときに何もルールを知らせないままなので、国の方でも頑張って欲しいなとは思いますが、外国人の方へルールを伝えていく必要がありますよね。ただ、やり方を間違えると外国人排斥につながる恐れがあるので慎重にやっていきたいと思います。
タバコのポイ捨てとかも「ここで吸ったらダメ」というのを外国人の方は知らないので、道路標識を変えるとか工夫をして外国人にもわかってもらえれば、そういったマナー違反とかが減っていくと思うので、そういう細かなまち作りは必要だなと感じます。